千葉県で最も面積が大きい市、市原市。その山間にある市原湖畔美術館は、2月22日まで「子ども絵画展」を開催。彼らの力作のなかには、地元を走る小湊鉄道が主役の“未来”が描かれた作品もあった。
「五井駅を出発して市内を縦断する小湊鉄道は、市原のシンボルとも言えるでしょう。子どもたちが描く未来でも、その姿は変わらないようです」と同館。子どもたちが描くクリーム色と赤色の小湊鉄道キハ200形気動車は、いつもの線路から飛び出し、さまざまな未来を駆けめぐる。
宇宙へと飛び立ち星を目指すキハ、ロボットが運転するキハ、ピラミッドの脇を走るキハ、海の中を泳ぐキハ……。子どもたちが描く小湊鉄道の気動車は、あらゆるフィールドを駆ける。この「子ども絵画展」の特別審査員を務めた日比野克彦氏は、彼らの描く未来を見つめ、こうコメントしている。
「ちょっと前までの『未来』は、車が空を飛んで、高層ビルができて…という決まった世界観がありましたが、最近では、『未来』はどこまでを指しているかわかりません。原発や戦争の問題などのニュースを聞いて、今の子どもたちが未来に対して希望を持っていないこともあるでしょう。しかし、例えば市長賞(低学年)の未来は、『ここじゃないどこかに行こう!』という気持ちが強く全面的に表れていて、前向きに未来を捉えているのがすごくいいなと思いました」
小湊鉄道も「子ども絵画展」を応援。2月8日までの土休日、彼らの絵が描かれたヘッドマークが付く「市原湖畔美術館号」を運転。車内でも子どもたちの作品を見ることができる。