起動がボタンではなく昔ながらのキーを捻る仕組みとは! 続けてセレクターを“D”にすれば発進可能。EVなのにあえて素朴にそうしている風なところが、まず気に入った。
デモカーにつき試乗車にはドアに大きなロゴが貼られたいたことを除けば、ガソリン車との外観の差はごく小さい。前後バンパーに加えられた細いリフレクターのデザインはセンスがいい。ルーフアンテナは基部がシャークフィンタイプで全高の数値が違うのはこのため。アルミホイールは専用デザインで、装着されるタイヤは165/65R15(ガソリン車の15インチは185/55)だ。
ガソリン車の『high up!』比で車重さは+240kg。このことと前述のタイヤサイズのおかげで、乗り味はガソリン車以上の重厚さ、しなやかさだ。
EVとしての走りは非常に自然。試せば発進直後にEVならではの強大なトルクも体感できる。が、通常走行は“ECO+”モード(ほかにECOとNOMALがある)でも十分に実用になるし、D1~D2~D3~Bの順で減速とブレーキ回生が強まるのを利用しながら、アクセル操作のみでの“1ペダル運転”も可能。セレクターがどのポジションでも必要な加速は得られ、高速走行もストレスを感じない。意図されてかどうかは不明だが、いかにもEVらしくヒューン!とモーター音だけが際立つ訳ではない走りっぷりに“自動車らしさ”を感じた。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。