【CES15】NVIDIA、車載 / モバイル用の新世代プロセッサー『Tegra X1』開発

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発表された最新プロセッサー『Tegra X1』
  • 発表された最新プロセッサー『Tegra X1』
  • 車載用インストメントパネルシステム『DRIVE CX』
  • 『DRIVE CX』を手に、パフォーマンスの高さを説明するNVIDIAのジェンスン・フアン社長兼CEO
  • 試作機として公開された『DRIVE PX』。12台のカメラ入力ができ、それぞれに高い処理を行える
  • ジェンスン・フアン社長兼CEO。『DRIVE PX』の処理能力の高さをアピール
  • 『DRIVE PX』を組み込んだ車載ダッシュボードシステム
  • メーター内の表示や入力をも自由自在に変えられる
  • 多彩な処理能力が求められるADASに見合った高い処理能力が得られる

NVIDIAは7日より開催される「CES2015」に先立ち、フォーシーズンズホテルにおいてプレスカンファレンスを開催。そこでは発表されたのは、モバイル/車載用の新型プロセッサー『Tegra X1』である。

発表した内容によると、Tegra X1は新世代のMaxwellアーキテクチャーを採用し、その中核となるGPUコアは256基、64ビットのCPUを8基搭載。高負荷の10bit H.264/VP9の動画再生にも十分なパフォーマンスで対応可能とした。

注目はエネルギー効率の良さで、「Uneral Engine 4」をPS4など次世代のゲーム機で動作させた場合、これまでは100Wの電力を必要としたが、Tegra X1ではその10分の1、わずか10Wで済むのだという。会場ではこの様子がデモされ、溶岩が流れる中を巨大な怪物が動き回るという高負荷な描画でも乱れることなくスムーズに展開されていた。

それでいてTegra X1の実力は2000年当時のスーパーコンピュータ並みで、この時スーパーコンピュータは約1万Wを消費していたという。また、このことからTegra X1には「モバイル・スーパーチップ」の異名も与えられている。

これだけの性能を持つプロセッサーだけに、当然自動車への展開も視野に入る。NVIDIAを率いるジェンスン・フアン社長兼CEOは、壇上で説明した大半をこの車載機での利用に費やした。

この発表では、Tergra X1を組み込んだ車載用インストメントパネル システム『DRIVE CX』が発表され、同じくTegra X1を2基搭載した自動運転制御(ADAS)の試作機『DRIVE PX』も公開された。このDRIVE PXは同時に12台のカメラ入力が可能で、それぞれが最適な処理まで行う能力を備えているという。

世の中で今最も注目浴びやすい自動運転車に対しては、DRIVE PXなら多数の車載カメラで撮影した映像から周囲の自動車や歩行者、標識などを画像認識で識別することが可能。なかでも高い関心とともに笑いを呼んだデモが、識別が難しい夜間のスピードカメラを検出し、パトカーに追尾されていることも自動認識できることの紹介だった。

現時点では、Tegra X1の出荷時期や搭載製品の登場時期は不明だ。昨年CES2014で登場した『Tegra K1』が具体的に搭載されるまで約半年かかっていることから、おそらく同じ時間を要するのではないかと思われる。

《会田肇》

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