難病の患者に希望を与える、英タイムトライアル選手の新たな挑戦

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アレックス・ダウセット(モビスター)がアワーレコード挑戦
  • アレックス・ダウセット(モビスター)がアワーレコード挑戦
  • 会見に臨んだアレックス・ダウセットとモビスターのエウセビオ・ウンスエGM
  • ダウセットのキャニオン製バイクに刻まれた応援用ハッシュタグ、#PerfectHour

アレックス・ダウセット(モビスター)が、2015年2月27日にアワーレコードに挑戦することを12月19日に表明した。ダウセットの心中には、他の挑戦者とは異なる秘めた思いがある。

ダウセットは、イギリス・エセックス出身の26歳。タイムトライアル(TT)スペシャリストでイギリスTT王者のタイトルを3度獲得し、2014年はコモンウェルスゲームズ(英連邦競技会)の個人TTでも優勝している。

この日、ダウセットはモビスターのエウセビオ・ウンスエGMらとともにロンドンのリレーズ・スポーツバーで記者会見に臨んだ。

ダウセットのアワーレコード挑戦は、2月27日にトラック競技イベントのレボリューションシリーズ第5戦の中で行われる。会場は、2012年ロンドン五輪の舞台ともなったリーバレー・ベロパークの250mトラック。ここはシベリア松の木製トラックで、過去に3度の世界新記録が樹立されており、海抜付近ではもっとも高速の自転車競技場のひとつである。

また翌日には、同イベント内で女子パラリンピック選手サラ・ストーリーもアワーレコードに挑戦する。

難病の血友病患者でもあるダウセットは「このオフ、僕は血友病のキャンペーンでヨーロッパ中を旅し、目が覚めたんだ。僕が実感したことは、自分のストーリーの持つインパクトだった。若い血友病患者(ダウセット自身)にとってはすべてがつらかったし、家族は僕以上だった。予想される悲惨な結末は、車いす、松葉づえ、関節の癒合だった。今のアレックスとはまったく別物だった」とかつては深刻な状況にあった自身が、病気を抱えながらも自転車選手として活躍している姿が、同じ患者を勇気づけていることに気づいたと明かした。

そして「この旅を通して、僕のストーリーは希望を広げていた。実際、彼らの子どもたちは普通の生活を送れるかもしれない。だから、僕は考えた。僕個人のキャリアの目標とともに、彼らに明るい未来をもたらすために僕にもっとできることはないかと。世界記録は誰もが理解できるものだ。だから、次の目標をアワーレコードにしたかったんだ。僕が成功すれば、この難病のコミュニティーのみんなにより多くの希望を与えられるという原動力を今は感じているんだ」とアワーレコード更新で、血友病に苦しむ子どもたちをさらに励ましたいと誓っている。

血友病のダウセットがアワーレコード挑戦へ「僕の成功で血友病患者に希望を与えたい」

《光石達哉@CycleStyle》

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