マレーシア・来年の経済成長予想、下方修正の動き…原油価格下落で

原油の国際価格が下落していることを受けて、マレーシア経済の2015年の成長見通しを修正する動きが出ている。

エマージング・マーケット 東南アジア

原油の国際価格が下落していることを受けて、マレーシア経済の2015年の成長見通しを修正する動きが出ている。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは、マレーシアの2015年の国内総生産(GDP)成長予想を5%から4.8%に下方修正した。ブレント石油価格が1バレルあたり75米ドル(261.80リンギ)程度となるとの見通しを受けたものだ。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは、石油価格下落を受けて国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)から政府への配当金額が減ることで、マレーシア経済は成長と財政赤字の目標という2つの目標が達成できないリスクもあると指摘。一方で、中央銀行バンク・ネガラは金融政策の引き締めを行う気配がなく、政策金利は3.25%で据え置かれているとも指摘した。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのエコノミスト、チュア・ハックビン氏は、マレーシアの財政赤字率がGDP比3.8%となると予想。ペトロナスは、政府に来年支払う配当金とロイヤリティ、税を合わせた額が、石油価格が1バレル75米ドルとなった場合、37%程度減少して430億リンギとなると警告している。今年ぺトロナスが政府に支払うと見られている金額は680億リンギ。

連邦政府は燃料補助金の撤廃によりGDP比1.4%にあたる150億リンギの節約が可能と見られているが、ペトロナスからの支払いが250億リンギ減った場合は相殺できないことになる。

千田真理子

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