住友ゴムは岡山テストコースにて、ダンロップのランフラットタイヤやエコタイヤの性能をテストできるメディア向け試走会を開催した。
試走対象となったタイヤは、メタルコア製法NEO-T01による新しいランフラットタイヤ『SP SPORT MAXX 050 NEO』、ラベリング表示でAAA-aランクとなった『エナセーブNEXT』、石油外素材100%のタイヤ『エナセーブ100』の3種類の他、『VEURO VE303』、『LEMANS LM704』、『エナセーブEC203』、『GRANDTREK PT3』の試走も行われた。
このうち11月17日に発表されたSP SPORT MAXX 050 NEOについて、高速周回路と振動騒音路で乗り心地、静粛性などをテストした。車両はBMW『523i』だ。岡山テストコースの高速周回路は1周3.2Kmの平均的なオーバルコースで、試走はバンクなしのコースだが、2つのコーナーは100km/h以上でも安定した横Gとロール角でグリップをキープしてくれる。高速でのレーンチェンジも剛性感のあるしっかりした動きを見せた。切り始めの応答性がよく、最初の横Gはそれなりに感じるが、レーンチェンジ後の収まりは余計な反動やヨレはない。
ランフラットタイヤはサイドウォールが通常タイヤより強化されているため、剛性感はでやすくカッチリした動きになるが、その分乗り心地やギャップを拾いやすくなる。050 NEOもそうだと思い振動騒音路に入ると、予想は裏切られる。車の性能もあるだろうが、2種類の舗装が交互に敷かれた路面では、思ったより振動や騒音がしない。石畳や舗装の継ぎ目のようなギャップはちょっと硬さを感じるものの、不快な振動はなかった。
騒音路、周回路ともにロードノイズもよく抑えられている。高速走行では「サー」という一定のヒスノイズが聞こえるが、これが気になるような高音でもなく、バスやトラックのような低音ノイズでもない。
コーナリング性能や乗り心地の秘密は「メタルコア製法」という新工法にあるという。この工法により、サイドウォールの剛性を最適化し、ランフラットタイヤながら乗り心地を向上させた。また、トレッド面やブロックの硬さも場所によるチューニングを施しているという。これは、高速走行やコーナリングでのグリップ・安定性を向上させ、ブロックが発生するロードノイズを抑えることになる。
メタルコア製法は従来の成型方法と異なり「芯」となるコアに糸状のゴムを巻き付けていく。板ゴムの張り合わせ部分がなくバランスがよく高精度なタイヤの製造が可能になる。また、巻き付け方でゴムの部分的な強度や密度を調整し、剛性の最適化やチューニングも可能だという。