世論調査機関ムルデカ・センターが実施した最新調査で、1969年5月13日に起きたマレーシア史上最悪の民族衝突事件が、再び起こる可能性について、「再び起こる」と考えているマレー人が53%もいることが分かった。
いずれの民族も若い世代になるほど民族衝突の危機感が強いことも明らかとなった。
同調査は7月に実施したもので、様々な民族、年齢層にわたる1012人から回答を得た。華人は民族衝突が「起きる」が22%、「ない」が67%。インド系は「起きる」が47%、「ない」が43%と、マレー系より「起きる」が低くなっている。全体では「起きる」は43%で、「ない」は48%だった。
「5月13日事件」は同月に行なわれた総選挙を発端としたもので、死者196人、負傷者439人を出す惨事となった。当時、ラーマン初代首相の下での融合政策に対する不満が各民族観で高まっており、総選挙では与党連合・国民戦線(BN)が大きく議席を減らし、民主行動党(DAP)などの華人勢力が議席を伸ばした。これを受け、マレー系と華人がそれぞれ行進を行ない衝突に発展した。