一般車用タイヤに「リトレッド」は浸透するか…日本ミシュランタイヤ「将来必ず必要」

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ミシュラン、リトレッド後のタイヤ
  • ミシュラン、リトレッド後のタイヤ
  • 日本ミシュランタイヤ トラック・バスタイヤ事業部 ペルティエ・ドミニク 常務執行役役員
  • ミシュラン、リトレッド後のタイヤ(左)と前のタイヤ

日本ミシュランタイヤは、11月28日に都内で開いた会見で、トラック・バス用リトレッドタイヤの推進と、それに関わるウェブ管理システム導入を発表した。コスト削減や、環境性に優れたリトレッドタイヤだが、今後、一般車乗用車に普及するかどうか、トラック・バスタイヤ事業部のペルティエ・ドミニク常務執行役員に話を訊いた。

「昔は、一般乗用車でもリトレッドは行なわれていた。しかし現在はほとんど行なわれていない。その背景には、品質向上によるコスト高、そして人件費の向上がある」とペルティエ常務は話す。続けて「技術的には十分可能であるが、リトレッドに対するコストが上がったことにより、一般乗用車向けが、ほとんど行なわれなくなってしまったのが現状だ」と背景を語った。

トラック・バス業界ではリトレッドタイヤに対する需要が伸びていると、ミシュランは分析している。新品タイヤと比べ、60%の導入コストで新品同様のパフォーマンスを発揮することや、何よりも昨今の環境対策、燃料価格高騰が原因である。これをふまえミシュランは、リトレッドタイヤにウェブ管理システム「e-Retread」を導入し、顧客から預かったタイヤの一元管理とデータ収集、そして情報提供の環境を整え、顧客の運送コスト低減をも提案できるシステムを構築した。

運送には、トラック・バスだけではなく、バンやワゴンなどの商用車も使われる。こうした一般車向けにもリトレッドが導入されたらよりコスト削減になる。ペルティエ常務に伺うと「一般車用タイヤでも、リトレッドについてすでに調査を開始している」との回答。

続けて「将来、環境問題や石油枯渇が深刻化すれば、リトレッドは乗用車にも必ず必要になる。しかし実際に市場に出回るまでは、時間がかかるであろう。企業としても大規模なシステム構築が必要となる。そしてユーザーや国も、もっと環境に対する意識を強めなければならない。だが、ミシュランはその時を見据え、開発を行なっていく」(ペルティエ常務)と展望を話した。

《阿部哲也》

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