ブリヂストンと花王が共同開発した高機能タイヤゴム材料「サステナブル分散性向上剤」は、タイヤ用ゴムとなじみにくいシリカ(二酸化ケイ素)をいかに均一に溶け込ませるかという課題から生まれた素材だ。
タイヤの低燃費性やウェットグリップ性の向上には欠かせないシリカ。11月19日の共同記者会見で、ブリヂストン原材料開発ユニットの米元真希子氏は、「親水性のあるシリカは凝集しやすく、ほどけにくい性質。これをいかにほどくか、きれいに分散させるかがカギだった」と話す。
油に似た性質のゴムと、水にちかいシリカ。水と油をいかになじませるかという局面で、花王の界面制御技術の出番だ。
花王テクニカル研究所の鷹野哲男氏は、同社商品『アタック』の例を示し「衣類用洗剤は、界面活性剤分子が油汚れの表面に並んで、水となじませて細かくほぐす。これと同様に、シリカ分散剤は、シリカの表面をゴムとなじませてほどく。花王の界面制御技術がシリカ分散剤改良にも応用された例」という。
両社が共同で開発した新たなサステナブル分散性向上剤は、100%植物由来で、多量のシリカも高度に分散させることを確認。会見では、ゴムとシリカが均一になじむイメージ図を示しながらその効果をアピールしていた。