日本市場の価値観変化へ素材メーカーからの提案…BASF、デザインファブリーク東京設立

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BASFデザインファブリーク東京設立
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  • BASFジャパンオートモーティブ日本デザインファブリーク東京エグゼクティブエキスパートの田中井俊史氏

BASFは、「デザインファブリーク東京」を設立した。2007年にドイツに開設以来2番目の組織で、BASFの事業部それぞれが持つ商品、素材などを横断的に把握し、工業デザイナーが製品を生み出す際の素材選びをサポートする。

デザインファブリーク東京は、「BASFが持っている商品、商材を横断的に集めて材料のライブラリー的なものを設け、ここでお客様とディスカッションしながら、様々なプロジェクトを推進する部署である」とは、BASFジャパンオートモーティブ日本デザインファブリーク東京エグゼクティブエキスパートの田中井俊史氏の弁。

その設立の背景について田中井氏は、「BASFは素材メーカーなので、我々のお客様は直接消費者にはならず、BtoB(企業間取引)となる。しかし我々のお客様が販売する市場の消費動向や価値観の変化を常にウォッチしており、気付いた点がいくつかあった」という。

「ひとつは日本のような成熟したマーケットでは、量で価値を判断する、ものを多く持つというよる価値は低下してきているのに対し、自分自身で選び抜く力、ものを見たときにこれは美しいといった審美眼はどんどん高くなっている」と話す。これは、「高度成長期を生きて来て、様々なことを体験し、また、多くのクルマに乗ったことで、体験値が積み上がった結果だ」と分析。

また、「自分が何かものを購入するにしても、衝動買いはあまりせず、自分が共感できるもの、そしてそれを持っている自分を見てもらって自己表現をする。そういう消費者になって来ている」と述べる。

つまり、「審美眼が上がって、体験値も高いので、何がきれいか、美しいかといったことを見抜き、きれいなものに心が動いたり、ものを選ぶ際も作られた背景やストーリー、素材がどうとかなど、そういうことをかなり調べて、自分の中に落とし込んで、そういったストーリー性が自分に合うと思ったときは、対価を惜しまない。そういう消費者の価値観の変化があると思う」と田中井氏。

そこで、「BASFは今回ドイツに次いで日本にファブリーク東京を設け、まずは自動車を中心に、デザイナーが製品を生み出す際の素材選びをサポートし、デザインプロセスにおける素材の色や仕上がりなどのソリューションを、デザイナーとともに創出していく」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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