【フォード エコスポーツ 試乗】SUVらしさ好む人向けの乗り心地…吉田匠

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『エコスポーツ』というのは、『フィエスタ』と基本は同じプラットフォームを使ったコンパクトサイズのSUVで、ブラジルが開発拠点だと伝えられるクルマだ。プラットフォームの基本は同じでも、一目瞭然なようにボディサイズはフィエスタより大きく、ホイールベースが30mm伸びているのに加えて、全長、全幅、全高ともひと回り拡大されている。

しかもエコスポーツ、パワーユニットもフィエスタとは異なる。背の高いボンネットの下に収まるのは、排気量1.5リットルの直4 NAで、113psと14.3kgmを発生する。ただし、組み合わせられるトランスミッションは基本的にフィエスタと同じで、パワーシフトオートマチックと呼ばれる6段DCTになる。SUVとはいえ4WDではなく、前輪駆動車だ。

フィエスタより明らかにフロアが高いキャビンに乗り込むと、当然、着座位置も高めだから、周囲の見晴らしはいい。が、しかし、フィエスタではぴたりと決まったドライビングポジションが、ステアリングはこれも前後調節可能なのに、何故かちょっと決まりにくい。

走り出してみると、乗り心地の感触もフィエスタとは異なる。タイヤが205/60R16とフィエスタよりひと回り太い、ということはバネ下が重いことも災いして、しっとりした乗り味のフィエスタと違って、路面の突起などを拾うタイヤからのショックが明らかにはっきりと伝わってくる。これをSUVらしいと好む人なら、気にならないかもしれないが。

1.5リットル直4で、フィエスタより110kg重い車重を走らせる動力性能は、特に活発とはいえないものの、まずまず不足はない。けれども、最大トルクがフィエスタの17.3kgmに対して14.3kgmしかないことから、軽くアクセルを踏んだときのレスポンスにフィエスタのような軽快感は味わえない、というのも正直な印象だった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★
オススメ度:★★★

吉田 匠|モータージャーナリスト
1947 年生まれ。子供の頃からのクルマ好きが高じて、青山学院大学卒業と同時に自動車専門誌『CAR GRAPHIC』の編集記者としてニ玄社に入社。同誌ではスポーツカーのロードテストなどを主として担当し、ヒストリックカー、ツーリングカー、FJなどのレースにも参戦、優勝経験もけっこうあり。後にフリーランスのモータージャーナリストとして独立。自動車専門誌や一般誌に記事を執筆し、今日に至る。旧いクルマに造詣が深く、愛車の一台は1962年ポルシェ356B。

《吉田匠》

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