【マツダ ロードスター 新型発表】「小さく軽く、言い訳をせず志貫く」…藤原常務インタビュー

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9月4日、新型『ロードスター』を、東京/モントレー/バルセロナの世界3か所のファン参加型イベントで世界初公開したマツダ。同車の商品企画などを担当した常務執行役員である藤原清志氏に話を聞くことができた。


◆「言い訳はしちゃいかん!」と開発陣にハッパをかけた

----:新型ロードスターの開発は、どういった点が大変だったのでしょうか?

藤原清志氏(以下敬称略):普通に考えれば厳しい規制がかかっています。燃費も厳しい、衝突要件も厳しくなって歩行者保護も入れなくちゃいけない。いろんな厳しい要件があるわけです。それでだいたいスポーツカーって、大きくなって重たくなって、ライトウェイトスポーツが作れなくなって市場から消えていくんですね。過去の悪いサイクルでは。それと同じような時期に今、来ていて。

普通にやってしまえば、大きくて重たいエンジンを積む方向に行くんですけれど、「まったく逆をやれ!」と言ったんです。「もっと軽くしろ! もっと小さいエンジンにしろ!」と。ものすごく大変ですが、それが25年間続いたロードスターの胆であり、中心にあるもの。それをアフォーダブルな少し頑張れば買える価格で、軽くて扱いやすくて、オープンカーでできるようにする、と。そこを外してはイカン! とずっと言い続けてきて。でも、エンジニアは、「そこは、こんなに大きくしなきゃいけない。そこをそうしないと走らなくなります。こうしないと衝突なんとかです」と言いたがるんですね。

それでも、「言い訳はしちゃいかん!」と(笑)。「志を貫け!」と。そこが一番、大事なところだったんです。

----:小さく軽いのが重要ということは、ロードスターファンは当然わかっていますが、経営やマーケティングの人には、なかなか理解してもらえないはずです。マツダもそうですよね?

藤原:それはそうですよ。普通にマーケティングのデータを見れば、「何を考えているんだ君は?」となる(笑)。

「世の中はこう言っているじゃないか、エンジンの排気量を大きくしなさいと。お客さんは狭いと言っているじゃないか、だから大きくしなさい」と。そうやって簡単に大きくしていくと、エンジニアも苦労しないんです。だけど我々、ロードスターの開発陣は「なにを言っているんだ。彼らはロードスターファンの気持ちを分かっていない」と。そういう苦労をしました。

◆アメリカのニーズを却下したため、「もうアメリカに行けないかも」

----:現行のNC型ロードスターのときも、アメリカから大きくしろという要求が非常に強かったと聞きました。今回、アメリカはどうでしたか?

藤原:今回もそうでしたよ。私がアメリカに行ってロードスターの話をすると殺される人間ですから。

----:殺されますか?(笑)

藤原:あまりにうるさかったので、「アメリカなんかで売ってもらいたくない」と言ってしまったんですよ。そんなに文句を言うんだったら売ってもらわなくてもけっこう! と。

----:思うだけでなく、言ってしまったんですか!?

藤原:悪い人になってしまった(笑)。「あいつがいるかぎり、売ってやらん!」と大変なことになっているんです。でも、今日(「マツダ ロードスター THANKS DAY in JAPAN」開催日)、日本の人たちに喜んでいただけたので、まあいいかなと。ファンのためには良いことしたなと思っています。

----:日本のファンのニーズは、小さく・軽くという声が多いはずですからね。

藤原:そういう意味で、各地域の人たちのニーズは、少しずつ違うんで、それを全部聞いていると、初代に作ったときのコンセプトは絶対に曲がっていくんですよ。だからこそ、そこを守るためには、誰かがダメって言わないといけない。

----:そうですよね。でも、心の中では「実際に売れる」と思っているわけですよね。

藤原:はい(笑)。データだけを見ている人間は、お客さんの心を見てないので。

----:アメリカのロードスターファンは日本と同じなのですか?

藤原:私はそう思っています。もちろん、そうでない人もいます。アメリカは、後で直す人たちがけっこういるので…エンジンを大きいのを積んでみたり、タイヤを大きいのをつけてみたりする人がいる。それはそれで、彼らがやってくれればいい話であって。ベースのところで、我々の言っていることに共感してくれる人はたくさんいると思ってるんですね。

----:実際の販売になれば状況は変わるだろうと?

藤原:変わらなかったらどうなるんでしょうね(笑)。

----:アメリカは当分、行けませんね(笑)。
《鈴木ケンイチ》

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