豪州ゴールドコーストの街を駆ける「G」の低床LRVに乗ってみた[写真蔵]

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豪州ゴールドコーストのセンターリザベーション区間を行くG:link
  • 豪州ゴールドコーストのセンターリザベーション区間を行くG:link
  • 「T」の信号を赤に塗りかえながら35km/h制限区間を走るG:link
  • 中心街・サーファーズパラダイスをすり抜けていくG:link
  • 南半球のゴールドコースト。7~8月は冬で気温は25度前後と過ごしやすい
  • 新しい軌道を眺めると、レールは車道よりもやや高い位置にカント(バンク)を付けて設置されているのがわかる
  • 「Ride the G:」というメッセージが側面に添えられたG:link
  • キックボードで街を駆け抜けるゴールドコーストの男子たち
  • 思いっきり大盛りのスパイシー・バッファロー・ウイングスとサラダ
オーストラリア北東部のクイーンズランド州にある同国最大のリゾート地・ゴールドコースト。美しい砂浜と高層ビルが織り成すこの街に7月20日、軽量軌道交通(LRT)が開業した。

この新たなLRTは、KDRゴールドコーストの「G:link(GoldLinQ)」。街の南北(大学病院~ブロードビーチ南間、約13km)が標準軌(軌間1435mm)のレールで結ばれ、その上をドイツのボンバルディア・トランスポーテーション製「Flexity 2」が走っている。

この新しい乗り物を体感しに、ジェットスター(JQ)の直行便で成田からゴールドコースト(クーランガッタ)へ。JQの最新鋭機B787-8で向かえば、「市内を周遊するなら、“G”に乗ると便利よ」と現地の女性。このトラムは「G」という愛称で親しまれ、ホーム上のLEDにも「Welcome To The G:」と記され、到着までの待ち時間も併記されていた。

日本の交通系ICカードと同様、トランスリンク社のプリペイド型電子マネー「go card」で乗る。改札口などはなく、乗る際にホーム脇にあるカード読み取り機にタッチして電車に乗る。このあたりは、電車内にICカード読み取り機が設置されている日本の路面電車などとは違うところ。

黄色に青のトラムが、カンカンとクラクションを鳴らしながらホームに入ってくる。その音色はメルボルンの路面電車に似てクラシカル。「G」のプラグドアは、主要駅以外は乗降客がボタンを押して開閉させるタイプ。出発時にまたカンカンと鳴り、“Welcome aboard.”と自動音声アナウンスが車内に流れる。

片道約35分で4.14豪ドル(約403円)。ひと通り乗ると2種類の“乗り味”が体験できる。観光客や波乗りらが行き交う中心街・サーファーズパラダイス付近では併用軌道の路面電車、北側路線の専用軌道は近郊電車というイメージ。専用軌道では最高速度の70km/h近いスピードで軽快に走る。

運転席と客室はガラスで仕切られ、前方の景色も楽しめる。運転手は左手のレバーを倒して前進させ、右手のボタンでドア類を操作していた。リニアに立ち上がるモーターや、タタンタタンと台車が刻む音、カーブ時の車輪のきしみなどは、日本の路面電車と同じ。ホーム上に自転車置き場がある光景などは珍しい。

夕暮れ時、にぎわうアイリッシュバーの客がジョッキ片手にこちらに手を振る。車内では「どこから来たの?」と語りかける地元のおばあちゃんと、その横でリンゴをかじりながら本を読む大学生、こちらを不思議そうに見つめる5歳の女の子などに出会えた。

夜のとばりが下りたころ、バーから「G」を至近距離で眺める。カンカンという音がないと、存在に気づかないほど静かな足音。停車駅では、前後のクルマやバイクに注意をうながすように、ハザードランプを灯していた。
《大野雅人》

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