【SUPER GT 第6戦】GT500クラス…決勝も レクサスRC F 中嶋&ロシター組が制す

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
優勝した#36 RC F。撮影:益田和久
  • 優勝した#36 RC F。撮影:益田和久
  • 中嶋一貴とロシターは今季初優勝。撮影:益田和久
  • ポール発進だった#36 RC F。
  • 決勝スタート、ポールから#36 RC Fが加速。撮影:益田和久
  • 決勝2位の#23 GT-R。撮影:益田和久
  • 決勝3位の#18 NSX。撮影:益田和久
  • 優勝の可能性もあった#17 NSXだったが、リタイアに終わる。
  • #39 RC Fは、ほぼ手中にしていた決勝3位を取り逃がす結果に。

31日、SUPER GT第6戦「鈴鹿1000km」は決勝日を迎え、およそ5時間37分の熱戦の末にGT500クラスを制したのは、ポール発進のレクサスRC F、中嶋一貴&ジェームス・ロシター組だった。

時季的なことを考えれば、この日も暑さはそれなりにとどまった鈴鹿サーキット(路面温度が40度を大きく超えるような局面はなかった模様)。シリーズ最長の1000km、173周のバトルは、セーフティカーが入る場面もなく、雨に見舞われることもなかった。そのため、今季から採用された新規定GT500マシンの速さが(ウエイトハンデのきついラウンドとはいえ)存分に発揮され、一概には比較できないが前年より約18分も早いレースタイムで決着。夕闇迫るなかでのチェッカーとはならないくらいの高速決着であった。

作戦は、4ストップと5ストップに大別された。今季はウエイトハンデが50kgを超えた場合に50kg分が燃料リストリクターの調整(簡単にいえば出力ダウン)に置き換えられる規則だが、レクサス勢と日産勢はこれとの兼ね合いが戦略決定に大きな影響を及ぼしたようで、ポール発進の#36 PETRONAS TOM’S RC F(一貴&ロシター/タイヤはブリヂストン=BS)はウエイトハンデが50kgに達していないため、自然とスピード重視の5ストップ作戦を採ることに。

そして#36 RC Fは原則29周ごとにピットインする作戦でしっかり走り切り、見事に今季初優勝を飾った。対抗馬となったのは#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/ミシュラン=MI)だったが、こちらはハンデが50kgを超えていることもあって燃料セーブしつつと思われる4ストップ作戦。116周目に#36 RC Fが4回目のピットを終えた直後には、お互いに残りピット1回の状態で#36 RC Fと#23 GT-Rがコース上の直接対決になる局面があり、#36のロシターがそれを制しているのだが、おそらく今日はこのバトルでの勝敗に関わらず、#36 RC Fがレースに勝利したことだろう。

最終的な2位#23 GT-Rとのタイム差は約50秒、#36 RC Fの完勝といっていい内容だった。一貴&ロシターは今季初優勝。「最初のスティントこそトラフィック(GT300との混戦状態)に少し悩まされたが、レース中、マシンの状態が常に良かったからね。5ストップ作戦なので、プッシュし続けたよ」(ロシター)。「昨日ポールは獲れましたが、今日ここ(優勝会見)に戻ってこられるという確かな手応えまではありませんでした。でも、決勝のペースも良く、思っていた以上の結果を出せました」(一貴)。

#36 RC Fの最大の脅威は#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大&金石年弘/BS)だったようだが、彼らはレース中盤にコースオフがあってマシンを損傷してしまい、ピットに戻るも戦線離脱。また終盤、3位をほぼ確実にしていた#39 DENSO KOBELCO SARD RC F(石浦宏明&O.ジャービス/BS)がピットアウト直後にタイヤ脱落と思われる状況でストップ(11位完走扱い)するなど、高速決着のなかに1000km戦らしいサバイバル要素も散見される一戦だった。

3位には#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT(山本尚貴&F.マコヴィッキィ/MI)が入り、最終的にはレクサス、日産、ホンダが表彰台を分け合っている。4位は#8 ARTA NSX CONCEPT-GT(V.リウッツィ&松浦孝亮/BS)で、5位が#6 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也&国本雄資/BS)、6位には#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(小暮卓史&武藤英紀/BS)が入った。

SUPER GTの今季残りラウンドは2戦。ドライバーズランキング首位には#23 GT-Rが上がっており、上位は下記のような状況となっている。

#23 GT-R(松田次生&クインタレッリ/MI)60点
#37 RC F(伊藤大輔&カルダレッリ/BS)56点
#12 GT-R(安田裕信&オリベイラ/BS)49点
#18 NSX(山本尚貴※/MI)47点
#36 RC F(ロシター※/BS)47点
#6 RC F(大嶋和也&国本雄資/BS)42点
#1 RC F(立川祐路&平手晃平/BS)39点

※マコヴィッキィは第4戦からの参戦、一貴はWEC参戦による欠場が2戦あるため、それぞれパートナーより得点が少なく、彼ら自身のドライバーズチャンピオン獲得の可能性は実質的にない。

次戦は10月5日決勝の第7戦タイ大会。そして11月16日決勝の第8戦ツインリンクもてぎ大会で、今季シリーズは閉幕する。チャンピオン争いはいよいよ佳境だ。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集