気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2014年8月26日付
●広島土砂災害、死者・不明八木地区に集中、最大規模の土石流(読売・1面)
●「WRX S4」発売 ランクル70国内復活、VW「ポロ」全面改良、ワゴンR燃費向上(読売・8面)
●ジャパンテクノロジー、自動運転もうすぐ「仮免」市街地走行開発進む(読売・9面)
●円安7か月ぶり水準、104円「米利上げ早まる」観測で(読売・9面)
●モータースポーツ界へ協賛、石油元売り会社「加速」(産経・10面)
●富士通が米防衛企業買収(東京・1面)
●外国車販売回復遠く、増税前、駆け込み輸入反動(東京・7面)
●トヨタ豪工場撤退の流儀(日経・6面)
●技術者育成支援検定普及めざす、デンソーなど新組織(日経・12面)
●新幹線、時速400キロJR東と阪大車体を軽量化(日経・14面)
ひとくちコメント
お堅い記事が多い経済面に新車のスナップ写真がズラリ並ぶと賑やかな紙面になるものだ。8月25日は、トヨタ自動車、スズキ、富士重工業、独フォルクスワーゲンの4社がマイナーチェンジを含めた新車を相次いで発表したことで、きょうの各紙が新車の写真とともに特徴などを紹介した記事を取り上げている。
このうち、朝日は「新型車ザクザク」との見出しで、トヨタの『ランドクルーザー70』が「国内で10年ぶり復刻」などと、4社の新車を紙面中央に紹介。読売も経済面の右端に縦一列に4車種の新車を並べて掲載した。
産経は「自動車各社復活へ新車攻勢」とのタイトルで「自動車大手4社が25日、一斉に新車発表を行った」として4社を1本の記事にまとめて「異例の一斉発表は、販売拡大に向けた自動車各社の危機感の表れといえそうだ」と伝えている。
ただ、毎日と東京、日経は4社をすべて掲載せず、毎日はトヨタのランクルと富士重の『WRX』。日経はトヨタとVWの2社だけだった。また、東京はVWの『ポロ』の発表が中心だが、記事は「外国車販売回復遠く」で、トヨタも富士重もスズキも見当たらない。
各紙の掲載パターンはいろいろだが、『ワゴンR』の燃費を向上させたスズキはともかく、富士重のWRXは7年ぶりの全面改良。それなのに日経が取り上げないのはどういうことなのか。
富士重の発表には吉永泰之社長ではなく、専務執行役員クラスが対応したという。新車発表は自動車メーカーにとって最大のイベントだが、それに経営トップが顔を出さないのはメディアを軽視しているのか、それとも儲かりすぎて、産経が報じるような「危機感」が足りないのか、きょうの紙面を見る限りでは理解に苦しむ。