【BMW M235i クーペ 試乗】普段は淑女、ときどきゲリラ豪雨的に奔放…岩貞るみこ

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BMW M235i クーペ
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ジェンダーをとやかく言うつもりはないけれど、『2シリーズ』の立ち居地は女性に心地いい。

クルマに乗らされている感もないし、誰かに寄生して買ってもらったオーラも出ない。そしてそれが密かに、Mシリーズだったら。しかもそれがMTだったら。さりげなく2シリーズでありながら、世の中を出し抜いているような快感に陶酔しそうだ。

Mの誇りは、エンジンスタートとともに覚醒する。低いうなるような排気音。早朝の住宅街に響く強暴な音の振動に、ご近所が一斉に窓から顔を出しそうな気配を感じつつ早々に1速に入れて走り出す。手のひらの付け根でかちっと押すことのできる位置に備えられた、短めのシフトレバー。2速~3速という一番使うギアが、一番扱いやすい位置にあるという当たり前の贅沢さに、このクルマとの信頼関係が一瞬にして築かれた思いだ。

トルクのあるエンジンは、アクセルの踏み加減によって走りを一変させる。ゆるやかに加重させれば素直に流れに乗り、ここぞと踏み込むと一気に車体を前へと押しやってくれる。少しくらいいい加減なギアを選択しても、懐の深さで受け止めてくれるのがうれしい。緊張する坂道発進も、ヒルクライム・アシスト機能で後ろにずり下がることなくホールドしてくれるので、不安もなければ冷や汗もかかない。

普段は淑女。でも、ときどきゲリラ豪雨的に奔放な自分を出す。どっちが本当の自分かって、そりゃ、両方本当でしょ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材中するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「ハチ公物語」「しっぽをなくしたイルカ」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。最新刊は「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(すべて講談社)。

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