キャセイパシフィック航空、バイオ航空燃料製造会社に資本参加

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キャセイパシフィック航空は、バイオ航空燃料の開発企業である米国のフルクラム・バイオエネルギーに出資すると発表した。

航空会社がフルクラムへ出資するのはキャセイパシフィック航空が初めて。今回の出資は、同航空のバイオ燃料戦略の一環で、2020年以降の二酸化炭素排出量削減目標として掲げるカーボンニュートラルの達成に結び付けていく。

フルクラムは、都市固形廃棄物からバイオ航空燃料へ転換する技術開発と商業化で世界最先端を行く。同航空は戦略的な投資し、今後、追加投資についても視野に入れている。

フルクラムによると、同社の廃棄物燃料製造技術によって生成される航空燃料は、航空機や陸上の輸送車両で利用される際、従来の原油や他の化石燃料と比べてライフサイクル二酸化炭素排出量を80%以上削減することが可能としている。また、最終的に埋立てられる固形廃棄物や生成の過程で発生するメタンガスの排出量も低減される。

キャセイパシフィック航空のアイヴァン・チュー最高経営責任者は「フルクラムとの提携は、バイオ航空燃料の実用化を促進する上で重要なものとなる。2020年以降の二酸化炭素排出量削減目標であるカーボンニュートラルの達成は、持続可能な成長戦略に含まれるもので、バイオ航空燃料は極めて重要な要素になる」と述べている。

キャセイパシフィック航空では今回の出資に加えて、フルクラムから、今後10年間に3億7500万ガロン(約14億2000万リットル)の持続可能な航空燃料の供給を受ける長期契約を締結した。これは現在の年間使用航空燃料の2%に相当する量で、供給される燃料は、同航空が定める全ての技術的要件と規格に適合したものとなる。

フルクラムでは、今年後半に最初の商業プラントを着工、同航空のネットワーク戦略に配慮した北米の複数地点で大規模な再生可能航空燃料の生産拠点を設けていく。

フルクラム・バイオエネルギーのジム・マシアス会長兼最高経営責任者は「新しい燃料は従来の化石燃料と同じ分子構造を保ちながら、よりクリーンで炭素含有量も少なく、再利用可能で、従来の化石燃料と比べて低コストだ。今回のキャセイパシフィック航空の出資は、バイオ燃料の市場への供給をより強く推し進めることにつながる」と述べている。

《レスポンス編集部》

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