NEC、人工衛星の組み立て能力を増強…2020年に宇宙関連事業を1000億円

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NEC、衛星インテグレーションセンターを開設
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NECは、府中事業場(東京都府中市)の敷地内に建設していた、人工衛星の組み立てや評価・試験などを行う「衛星インテグレーションセンター」が稼働開始したと発表した。

人工衛星を同時に組み立てる能力はこれまで4機だったが、衛星インテグレーションセンターの稼働開始によって既存工場と合わせて最大8機の人工衛星を並行して組み立てることが可能となる。

衛星インテグレーションセンターは、高さ50メートル、フロア面積が9900平方メートルで、大型スペースチャンバーや20メートルを超える室内高の大空間作業室(ハイベイ)を備えるなど、大型衛星の組み立てが可能な構造とした。

投資額は、建屋・設備を合わせて約96億円。経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」の採択事業となっており、NECの実質的な投資額は約76億円だった。

NECは、1970年に打上げた日本初の人工衛星「おおすみ」をはじめ、小惑星イトカワからのサンプルリターンを達成した小惑星探査機「はやぶさ」、昨年9月にイプシロンロケットで打上げられた惑星分光観測衛星「ひさき」など、67機の人工衛星のインテグレーション(取りまとめ)を担当した実績を持つ。

相模原事業場(神奈川県相模原市)の小型衛星組み立て工場に加えて、衛星インテグレーションセンターの稼働により、NECの衛星標準バス「NEXTARシリーズ」の一貫生産体制を構築する。環境監視・災害監視・測位などの衛星インフラ整備や、アジアをはじめとする宇宙新興国の衛星需要などを積極的に取り込み、2020年度の宇宙関連事業規模を1000億円と倍増を目指す。

《レスポンス編集部》

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