ジャガー・ランドローバー・ジャパンが6月17日に日本初公開したクロスオーバー・コンセプトの『C-X17』。その外観デザインは「ひと目でジャガー」だ。
フロントグリルやヘッドランプは現行の『XF』や『XJ』を彷彿とさせる。フロントフェンダーからドアの肩口へラインを延ばしつつ、それとは別にリヤフェンダーに盛り上がるようなラインを配したのは『Fタイプ』と同じ手法。横長薄型のリヤコンビランプもFタイプ風だ。
ジャガーは2015年発表予定の新型セダン『XE』に、新開発のアルミ・モノコック・アーキテクチャーを採用する。これはいわゆるフレキシブル・プラットホームで、異なるボディサイズやパッケージングに対応可能。そこで、これを使ってXEの他にどんなクルマを生み出せるか? その可能性を探るのが、今回のC-X17の目的だ。
しかし、なぜクロスオーバーなのだろう? 姉妹ブランドのランドローバーはクロスオーバー/SUVの専業。ジャガーがクロスオーバーを出したら、ランドローバー/レンジローバーと自社競合してしまうのでは?
この疑問に、東京でのお披露目のために来日したジャガー本社のグローバル・ブランド・マネージャー、アンナ・ギャラガー氏の答えは明快だった。
「ランドローバーはオフロード能力に力点を置いたブランド。ジャガーはスポーティでダイナミックなブランドだから、競合する心配はないと考えている」。
地上高を上げた2BOXのプロポーションはジャガーらしからぬものだが、XF/XJやFタイプの特徴をわかりやすく配置して「ひと目でジャガー」を訴求する。ジャガーらしく見える限り、「競合する心配はない」わけだ。
クロスオーバーというボディタイプを選んだことについて、ギャラガー氏は「最も急速に拡大しているカテゴリーだから」とも語る。ランドローバーとジャガーが共存するに充分な需要があると期待しているようだ。ただし、「今はC-X17で市場の反響を見ている段階」とギャラガー氏。「生産するかどうかはまだ決めていない」とのことだった。