ミドリムシ燃料?大量培養技術がカギ…いすゞ×ユーグレナの共同開発

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ミドリムシ由来の従来型バイオ燃料で動くバス
  • ミドリムシ由来の従来型バイオ燃料で動くバス
  • デューゼルプロジェクト
  • ミドリムシの培養液を持つ細井社長と出雲社長
  • デューゼルバスから降りた両社長
  • いすゞ自動車 代表取締役社長 細井行氏
  • デューゼルはディーゼルとユーグレナ(ミドリムシ)の造語
  • 実証実験バスが藤沢工場で走行
  • ユーグレナ 代表取締役社長 出雲充氏

いすゞとユーグレナが、共同開発するというバイオ燃料は、原料がミドリムシだという。25日の記者発表では、両社の代表取締役社長がミドリムシ由来のバイオディーゼル燃料で走行する実証実験車に乗って登場した。

次世代バイオディーゼル燃料の共同開発プロジェクトは、ミドリムシの大量培養技術を持つユーグレナが、ミドリムシ由来の燃料の開発と実用化を目指し、いすゞは燃料の試験・性能評価や実証実験などを行うことで開発を支援する形で進められる。ミドリムシの大量培養技術は世界でもユーグレナが初めて成功したもので、ユーグレナとはミドリムシの学名だそうだ。プロジェクトは「デューゼル(DeuSEL)プロジェクト」と名付けられ、2018年に製造技術を確立し、2020年に実用化を目指すという。

いすゞ自動車 代表取締役社長 細井行氏は、実用化を目指す新しい燃料のデューゼルという名前は、ディーゼルとユーグレナを合わせた造語だが、両社で話し合って命名したという。そして、プロジェクトに参加する狙いを「化石燃料についてまわるCO2の問題解決への企業としての使命と、資源のない日本では今後多様な燃料に対応する技術力が必要だと考えたから」と説明した。

いすゞでは、かねてからディーゼルエンジンの燃費改善、CNG車・ハイブリッド車の開発、DME(ジメチルエーテル)車の研究などで環境問題に取り組んできているが、20年、30年先を見据え得た若手エンジニアの活動が今回のデューゼルプロジェクトにつながったという。

続いて登壇したユーグレナ 代表取締役社長 出雲充氏は、「世界で唯一、ミドリムシの大量培養技術を持つわが社では、ジェット燃料とディーゼル燃料について、ミドリムシ由来のバイオ燃料の特性がマッチする市場として開発を続けていました。ジェット燃料については、全日空と資本提携を結んでいますが、ディーゼル燃料についてよいパートナーがなかなか見つかりませんでした。今回いすゞ自動車という強力なパートナーを得ることができたので、次世代バイオディーゼル燃料の実用化を進めたい」と、共同開発の背景を説明した。

なお、両社長が乗ってきたバスは、いすゞの藤沢工場で従業員らの送迎に使っているもので、ミドリムシ由来のディーゼル燃料の実証実験のため、7月1日から実際に運行させるそうだ。

《中尾真二》

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