【GARMIN ForeAthlete 220J インプレ後編】スペックやデザインだけではない、走って実感できる進化

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本機を最初に使うときは、身長、年齢、体重などのデータを入力する。これによって心拍数の上限値などが自動的に設定されるようになっている。
  • 本機を最初に使うときは、身長、年齢、体重などのデータを入力する。これによって心拍数の上限値などが自動的に設定されるようになっている。
  • 走っている間に表示されるデータページの一例。3分割しても十分に見やすい文字の大きさとなっている。
  • 心拍数やピッチも表示可能。ピッチは本体内にGセンサーを内蔵することにより、フットポッド無しで計測できるようになった。
  • アラート機能はあらかじめ設定をして使う。心拍アラートの場合、上限と下限を別々に設定できる。オーバーワークも、休憩し過ぎも警告できるのだ。
  • 心拍はユーザーの体重や年齢から5つのゾーンが自動的に決定されており、そのゾーンで設定するので簡単だ。もちろん、。自分で心拍数を細かく指定することもできる。
  • 本体には約1000ラップ分のデータを保存でき、このように距離やタイム、ペース、消費カロリーなどを確認できる。ただし、ディスプレイが小さいのでたくさんのデータを見るのには不向きだ。
  • 保存されているデータの中から自己ベストを簡単に確認できる機能も搭載されている。
  • これはペースのアラートの設定画面だが、本機で数値を入力するときは共通してこのようなインターフェースになっており、左側下のシーソーボタンを上下に押して設定する。慣れればタッチ操作より操作しやすい。

軽さは正義

それでは、実際に使ってみての印象をお伝えしよう。腕に装着した瞬間に感じるのは、従来モデルとは比較にならないくらいフィット感がよくなったことだ。小さく軽い本機は腕を振っても全く重さを感じない。従来モデルを使っていた時に特に不満を感じていたわけではないが、本機を使ってからあらためて振り返ると、常に腕に重量物がぶら下がっているように感じていたなあと思う。やはりランニングウォッチは1gでも軽いほうがいいと実感した。

また、派手に見えるベルトも装着感の向上に一役買っている。無数の穴がムレを防ぐので、いまどきの暑い季節にキツ目にバンドを締めても、べったり貼り付いて不快な感じにならない。穴を開けたくらいで大きな違いはないだろうと思っていたのだが、実際には確かな効果を感じた。

続いて本機の電源を入れてGPSが補足されるのを待つ。最初に使用するときはユーザー情報の入力など設定も必要だ。操作は5個のボタンを使うが、50m防水とは思えないほど軽いタッチでクリック感も明確なため、非常に操作しやすい。タッチディスプレイではないが、そのために操作性に明確な差がつくのは、データページのカスタマイズなど複雑な設定をするときくらいだろう。

GPSの補足はおどろくほど速く、一瞬といっていいほどだ。本機は東京で使用された後に筆者の住む名古屋に送られてきたが、その最初の起動でもやはり数秒でGPSを補足した。数年前のモデルならこういうケースでは数分はかかっていたところだが、このあたりの進化も目を見張るものがある。

位置精度の向上も本機を使ってみて関心したことのひとつ。筆者のランニングコースは橋の下をくぐるところがあり、初期のGPS搭載ランニングウォッチではそこで走行ラインが大きく乱れることがよくあった。しかし本機では全く問題ない。また、高度差の測定も以前のモデルでは明らかに間違った数値が出たり、同じコースでも走るたびに数値が違っていたりしたものだ。GPSは高度測定が非常に苦手なので仕方がないと思っていたが、本機ではかなり正確になっている。

◆バイブレーションで確実にラップタイムをチェック

本機はカラーディスプレイを採用しているがコントラストが非常に高く、直射日光の下でもくっきりと見やすいので走りながらでも視認性は最高だ。データページは1~3個のデータを1画面に表示することができ、その内容は自由にカスタマイズできる。またデータページは2ページ目にスクロールできるので、数多くのデータを走りながら確認できる。

初期設定では、1kmごとにラップが刻まれ、ラップのタイムやペースが表示される。その時に本機ではブザーとバイブレーションで知らせてくれるので、聞き逃すことがない。ブザーだけだと車の音がうるさいコースやほかのランナーと走っている時には意外と気が付かないことがあるのだが、バイブレーションなら確実に気がつく。設定によってバイブレーションだけに変更することも可能だ。

本機が知らせてくれるのはラップだけではなく、あらかじめ設定しておけばさまざまな警告をしてくれる。例えば心拍アラートを設定しておけば、心拍が設定したレベルを超えた時に知らせてくれるし、ペースを設定しておけば、走行ペースが早すぎたり遅すぎたりした時に知らせてくれる。また、一定の距離を走った時に知らせてくれる距離アラートもあり、これを使えば初めてのコースでも日課にしている距離を確実に走ることができる。

走行データをクラウドサービスに同期して保存

ランニングが終わったら本体内に走行データを保存し、帰宅してからGARMINの無料クラウドサービスであるGARMIN Connectにデータを同期する。本体内に保存できるデータ量には限りがあるし、過去のデータを見るにしてもあまり快適とはいかないので、GARMIN Connectへのデータ同期は必須といっていいだろう。以前はPCのローカルソフトウェアにデータを保存する方法も用意されていたが、現在ではGARMIN Connectに一本化されている。

同期にはPCかスマートフォンを使う。PCの場合は、あらかじめデバイス管理ソフトであるGARMIN Expressをパソコンにインストールしておき、本機に付属のクレードルをUSB接続。このクレードルに本機を取り付けると、自動的にデータの同期が行われる。もちろん充電も同時に行われるので、次に使うまでそのままにしておけばいいだろう。

クレードルによる同期は有線接続のためやや面倒だ。そこで利用したいのがスマートフォンアプリのGARMIN Connect モバイルだ。このアプリはGARMIN Connect Connectに保存されたデータの閲覧などができると同時に、本機とBluetoothで接続してデータの同期ができる。これなら自宅に帰る必要さえ無く、屋外でもデータ同期が可能だ。

ただし、パソコンソフトのGARMIN Expressは接続したデバイスのソフトウエアを最新版に更新したり、初期設定では機種名になっている名前を変更するといったデバイスの管理機能がある。そのため、スマートフォンだけで本機を使い続けるのはやや無理がある。

GARMINConnectは非常に機能の豊富なサービスで、単にデータを保存するだけでなく、走ったコースを地図上に表示したり、データのグラフ化、比較、再生といったことが可能。また、ForeAthlete 220JはGセンサーを搭載していることを紹介したが、これによるピッチとストライド幅の表示はGARMIN Connect上だけで可能となっている。

データにはその日の気温、湿度や天候、風速なども同時に保存されるので、あとで振り返ってかこのデータを参照するときに、走った時のことまで思い出すことができる。また、こうしたデータを他のユーザーに公開することも可能だ。友達に公開することでトレーニングのモチベーションアップになるし、遠くに住んでいる人とデータを競い合うといったこともできる。さらに、走行データをFacebookやTwitterに投稿することも可能だ。

《山田正昭》

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