富士重工業の吉永泰之社長は5月9日に都内で会見し、今年度から始まる中期経営ビジョンで、モータースポーツ統括会社であるスバルテクニカルインターナショナル(STI)のブランドを強化する考えを明らかにした。
吉永社長は「STIは、とくにクルマ好きの方たちの中では非常にブランド力があり、我々の側からいえば大切な資産。まさに今回の経営ビジョンの中にあえて入れた。STIブランドを強化していきたいと思っている」と述べた。
その一環として、3月末まで富士重の常務執行役員でスバル技術本部副本部長を務めていた平川良夫氏を4月1日付けでSTI社長に就く人事を行ったことを明らかにした上で、「モータースポーツ等も含めて活動全体を見直して、計画を詰めていきたいと考えている」と語った。
またスバル技術本部長を務める武藤直人取締役専務執行役員は「STIのブランドが今までスポーティな走りというところだったが、これからより質感の高い走りという方向へ発展すると思っている。またSTIの車は、工場からラインオフした後に部品を取り外して組み立てていたが、ラインの中で量産車と同じように組み立てていければ、お客様のニーズに合うし、効率改善にもなる。そういう検討を進めている」と話した。