国立天文台の滝脇知也特任助教、福岡大学の固武慶准教授、京都大学の諏訪雄大特定准教授らの研究チームは、スーパーコンピュータ「京」を使った超新星爆発の大規模数値シミュレーションで、超新星爆発がニュートリノ加熱によって起こる可能性を示した。
超新星は、どのようなメカニズムで爆発するのか、複雑な高エネルギー現象が絡みあうため、解明されていない。ニュートリノ加熱説は有力な説ではあるが、これまでは星の形状を完全な球と仮定するなど、現実の超新星爆発とは異なる設定のシミュレーションしか行えなかったため、それが正しいかどうかの議論を進めることができなかった。
今回、スーパーコンピュータ「京」を用いることで、大規模なシミュレーションが可能となり、より現実に近い設定で超新星爆発の計算ができるようになった。
この結果、自然な仮定の下に超新星が爆発する初めての例を得ることができたとしている。これはニュートリノ加熱説を支持する強力な証拠になるとしている。
この成果は4月18日、国際論文誌「The Astrophysical Journal」に掲載された。