【豊作計画】トヨタ流生産プロセス改善で農業も大きく変わる

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米生産農業法人「鍋八農産」(八木輝治代表取締役)
  • 米生産農業法人「鍋八農産」(八木輝治代表取締役)
  • 以前まで鍋八農産で使用されていた作業管理用紙
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  • 農作計画
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トヨタ自動車は、自動車事業で培った生産管理手法や工程改善ノウハウを農業分野にもいかそうと、米生産農業法人向けの農業ITツール「豊作計画」を開発。2011年から、愛知県の米生産農業法人「鍋八農産」(八木輝治代表取締役)と共同で生産プロセスの改善を行ってきた。

その最初の接点となったのは、愛知県下の米生産農業法人が集まったときのことだ。「それまで生産行程に無駄があったりと問題が多く、改善したいと思っていた。そんなときにトヨタさんから問題を解決する方法があると提案していただいたのが、この計画に取り組もうとしたきっかけ」と八木代表は当時を振り返る。

「私の周りにいる農家の多くは、言葉や紙に書いて伝えることはできても、客観的な指標となるような数字にすることがなかなかできない。だからどんぶり勘定みたいにやっていた。それが作業行程などをデータ化したことで、管理がしやすくなり、明瞭な指示も出しやすくなった。何より変わったのは従業員のやる気だ。はっきりとした目標ができ、みんなが力を合わせて、どこを改善したらいいのかを、それぞれが考えるようになった」(八木代表)

鍋八農産が管理している水田は約2000枚(約170ha)で、スタッフ数は11人。20代から50代まで幅広い年代が働いている。当初、スマートフォンを持っていたのは3人だけだったが、豊作計画の便利さに気づいてか、今は全員が持つようになった。システム導入前は、手書きの書類整理など煩雑な事務作業に追われ、水田現場でのミスも多かったという。今はミスが大幅に減り、作業効率も向上した。

「米生産は県によって、様々なやりかたはあるが、基本的な流れは同じ。愛知県は工程数が多いので、(今年から豊作計画を導入する)石川県の法人からどうすれば工程数を減らして、コスト削減につながるかを勉強していきたい。同じ農家同士、情報を共有することのメリットは大きいと思う。システムそのものを完全に使いこなしているわけではないので、改善すべきところはまだいっぱいある」(八木代表)

《村尾純司@DAYS》

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