海上技術安全研究所は、3月28日に船舶の省エネルギー化を図るために開発した船尾ダクト型省エネ装置「WAD」(ウェザー・アダプテッド・ダクト)の水槽試験を、研究所本所(東京都三鷹市新川)で公開すると発表した。
WADは、船舶の船尾部分のプロペラ直前方に、断面が翼型のリング状物体を設置した省エネ装置。
WAD自体が、プロペラの吸い込み効果により揚力を発生し、船を前方に推しやるのに加え、プロペラに流入する流れを改善、推進効率を向上する効果もある。WADは通常の船尾ダクト型省エネデバイスに比べて、小型で、プロペラとの距離を縮めている特徴がある。この特徴により、高い省エネ効果を発揮しながら、有害なキャビテーションの発生や、それに起因する振動・騒音の問題が発生しないようにしている。
公開実験当日は、WADを設置した船舶模型を対象に、プロペラを作動させた状態での水槽試験を実施し、WADの省エネ性能を確認する様子を公開する。