故意にクルマを衝突させて2人を死傷させた男、心神喪失で不起訴に

自動車 社会 社会

昨年10月、広島県広島市佐伯区内で歩行者をクルマで故意にはねて死傷させたとして、自動車運転過失傷害などの容疑で逮捕されていた24歳の男について、広島地検は21日、罪状を殺人と殺人未遂容疑に変更。事故当時の心神喪失状態を認めて不起訴処分とした。

広島地検によると、問題の事故は2013年10月29日の午前9時50分ごろ発生している。広島市佐伯区美の里付近の市道(片側1車線の直線区間)で、犬の散歩のために道路左側の路肩を歩いていた女性2人に対し、対向してきた乗用車が衝突した。

この事故で69歳の女性が全身強打でまもなく死亡。45歳の女性も意識不明の重体となったが、クルマはそのまま逃走。近くの交差点で電柱に衝突して停止したが、運転していた24歳の男は意味不明の言葉を叫びながら逃走。通報を受けて駆けつけた警官が接近すると、道路に隣接する川へ入って逃げ続けた。

警察は男を自動車運転過失傷害と道路交通法違反(ひき逃げ)の現行犯で逮捕。事情聴取の際にも意味不明の言動を繰り返すなどしていたことから、検察は男の精神鑑定を実施していた。

その結果、男はクルマを故意に衝突させたものと認められたものの、事故当時に心神喪失の状態にあって刑事責任能力は問えないと判断。罪名を殺人と殺人未遂に変更した上で、心神喪失を理由として21日までに不起訴処分とした。広島地裁は同日付けで男の鑑定入院を命じている。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集