目下のシトロエンのラインアップで、もっとも身近で間口の広いモデルがこの『C3』。とはいえ“シトロエン濃度”の点では、上級車種に劣らない……どころか、むしろ濃厚でさえある。
この2月の改良で新搭載された1.2リットル3気筒エンジン(82ps/118Nm)+ETG5トランスミッションは、待望の内製・新開発パワートレーン。ミッションはシングルクラッチ&自動シフトモード付きで、アイドリングストップ機能も盛り込まれる。JC08モード燃費は19.0km/リットルだ。
何はともあれ走らせてみると、これが実に軽快だった。新旧同グレードの重量比較で実に70kgものダイエットを実現。このため高効率+軽量化のおかげで、サラッと軽々とした走り。自動シフトのマナーもよく、ほんの少しの配慮でスムーズな走りができ、パドルシフトを用い、必要に応じ即座にシフトアップ/ダウンの操作も可能。さらにコイルバネのC3らしい優しい乗り味も加わり、何とも心地いい系のコンパクトな乗用車に仕上がっている。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。