【池原照雄の単眼複眼】上位3社が900万台で僅差に…13年世界販売ランキング

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日本含む世界3大市場が伸びる

2013年の世界の自動車メーカーの新車販売ランキング(連結・グループベース)を、各社の発表資料などを元にまとめた。上位3社は900万台を超える日独米メーカーが僅差で並んだものの、トヨタ自動車が2年連続で首位となった。世界市場の堅調な拡大を背景に上位10社では仏PSAプジョーシトロエンを除いて全社が12年を上回る実績をあげた。

◎2013年の世界販売ランキング(カッコ内は前年順位と増減率、▲はマイナス)
1(1)トヨタ 998万台(2%)
2(3)VW 973万台(5%)
3(2)GM 971万台(4%)
4(4)日産・ルノー 826万台(2%)
5(5)ヒュンダイ 756万台(6%)
6(6)フォード 633万台(12%)
7(-)FCA   435万台(3%)
8(7)ホンダ 428万台(12%)
9(8)PSA 282万台(▲5%)
10(9)スズキ 269万台(2%)
*FCAはフィアットクライスラーオートモーティブ

内外の自動車大手によると、13年の世界の新車総需要は、前年を3%上回る8300万台規模と推計されている。09年から世界最大市場となった中国は14%増の2198万台と、一国の市場として初めて2000台を突破した。2番手の米国も8%増の1560万台となり、08年のリーマン・ショック前の水準にほぼ戻した。米国市場は、リーマン後の09年に1043万台(前年比21%減)と大幅に縮小したものの、10年から4年連続でプラスを維持している。2億台を超えるストックを抱える市場だけに、これまで先延ばしにされてきた代替需要が年を追って顕在化している格好だ。

このほか、3番目の日本は消費税率引き上げをにらんだ前倒し需要も表面化し、0.1%増の横ばいながら537万台と2年連続で500万台ラインに乗せた。新興国需要は国によってばらつきがあったものの、総じて堅調であり、世界の大手各社の販売増につながった。

トヨタ2年連続最高で成長路線に復帰

12年に続いてトップになったトヨタは998万台と、初の大台に迫った。トヨタ単体では3%増の895万台であり、いずれも12年に続き2年連続で最高となった。09年から10年にかけての世界的な品質問題をはじめ、東日本大震災や超円高といった苦境を乗り越え、着実な成長路線に戻ってきた。

2位には独VW(フォルクスワーゲン)がつけた。約2万台の差だが、初めて米GM(ゼネラルモーターズ)を上回る実績となり、前年に続いて過去最高を更新した。ホームマーケットである欧州の不振を最大の販売先である中国での拡大で補った。同国の実績は327万台(16%増)と、回復途上にある日本勢の伸びを大きく上回った。米GMも中国では11%増の316万台と2ケタ増になり、過去最高の販売を確保した。母国の米国でも7%増の278万台と好調だった。

ホンダは初の400万台突破

前年と同じ4位の日産自動車と仏ルノー(露アフトワズ含む)は、826万台(2%増)で、5年続けてプラスとなった。このうち日産は3%増の510万台と4年連続で最高を更新し、初めて500万台に乗せた。ルノーは2年ぶりのプラスとなったが、ロシア市場の不調でアフトワズは12%減と苦戦した。韓国ヒュンダイ(傘下の起亜含む)は、自国通貨高やストの影響があったものの、北米や中国で手堅く拡大し756万台(6%増)とした。このうちヒュンダイは7%増の472万台だった。

上位10社の中では、米フォードモーターとホンダのみが2ケタ増となった。フォードは米国で249万台(11%増)と好調だったほか、伸長著しい中国で49%増の94万台と大躍進した。ホンダは欧州以外の全地域で販売を伸ばし428万台(12%増)と初めて400万台を突破、2年連続で過去最高だった。伊フィアットと米クライスラーの経営統合で発足したFCA(フィアットクライスラーオートモビルズ)は435万台。フィアットの不振を米国で180万台(9%増)販売したクライスラーが補った。

《池原照雄》

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