気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2014年1月31日付
●トヨタ労組ベア4000円要求へ(読売・8面)
●同時株安世界に波及、米緩和縮小、新興国経済に懸念(朝日・7面)
●国内の新車販売、昨年比で1割減、自工会予想(朝日・9面)
●日立、23年ぶり最高益、今期営業5100億円(日経・1面)
●三菱自社長に相川常務昇格、益子氏は会長に(日経・1面)
●ニュース一言、トヨタ自動車・豊田社長(日経・11面)
●日野自、純利益63%増、今期775億円5、国内販売が増加(日経・17面)
●ダイハツ、営業益最高、4~12月、959億円、「軽」の国内販売増(日経・17面)
ひとくちコメント
三菱自動車が4月1日付で相川哲郎常務が社長に昇格し、益子修社長が会長に就任する人事を固めたという。きょうの日経が報じている。
「公募増資」による資金調達で、三菱グループが保有している優先株の処理がほぼ完了。株主の配当も16年ぶりに復活させるメドがついたことから、新たな成長軌道に乗せるために経営体制の刷新を図ることになったとみられる。
三菱商事出身の益子氏は、リコール隠し問題などで経営危機に陥っていた最中の2005年に社長に就任。丸9年という長期政権となったが、タイを軸とする新興国市場の開拓などに経営資源を集中させるなど悪化した業績の立て直しに手腕を発揮。リーマン・ショックやバッテリー事故問題などの逆風の中でも辛抱強く再建に取り組んで、赤字体質からの脱却を図った。
新社長に就任する相川常務は、東大工学部を卒業後、1978年に三菱自動車に入社したいわゆる技術畑の「生え抜き」である。軽自動車の「eKワゴン」の開発を手掛けたほか、世界初の量産化に踏み切った電気自動車『i-MiEV』の普及にも携わった。父親の相川賢太郎氏は親会社の三菱重工業の社長、会長を歴任した。物腰が柔らかい性格で社内外からも信望が厚く、「親譲りなのか飲酒は苦手」(相川常務)という真面目さもある。
これまで積み上げたキャリアや毛並みの良さからも申し分がなく早い時期から次期社長候補の筆頭に挙げられていたほどで、その意味では今回の社長交代は「順当」といえる。