福岡モーターショーは1月27日に最終日を迎えた。トヨタは、東京モーターショーで公開したコンセプトカー5台(『FCV Concept』『FV2』『JPN TAXI Concept』『FT-86 Open Concept』『i-Road』)すべてをそのまま福岡にも持ち込んだのに対して、ホンダブースは2台のコンセプトカー(『NSX Concept』『S660 Concept』)のうちNSX Conceptのカラーが東京ショーとは違った。
「じつはNSX Conceptは色違いで3台あるのです」と打ち明けるのは、本田技術研究所技術広報室の輿石睦氏。
「東京ショーにはホワイトを展示しました。福岡に持ち込んだこれは少し暗いシルバーのボディカラーです。ホワイトNSXは来月開かれるインドモーターショーに向けて輸送中です。他にレッドのNSX Conceptもありましてお客さんの反応を見ながら世界を転々としています」
言われてみれば、東京ショーのNSX ConceptのホワイトがS660 Conceptのホワイトと違うなと思いながら写真を撮った記憶がある。
「デザインも一部違うのですがわかりますか?」
ええっ、筆者にはわからない。東京ショーに限らず過去1年間さまざまなモーターショーでNSX Conceptを見てきたが色の違いすら気が付かないのにカタチが違うなんて。
「3台のコンセプトカーはそれぞれ少しづつデザインが違います。でも私が知る限りそれを指摘したのはひとりです」
さすが福岡の人は鋭い。
「いえ、指摘は福岡ではなく東京ショーでした。40代と思われるキャリアウーマン風の女性から、フロントのデザインが違いますね、と指摘されました。その女性は本気でNSXを買うつもりで、さまざまな資料や写真を集めているということでした。真剣なお客様はプロ以上の厳しい目でクルマを見ています」
帰って調べてみると、確かに違う。ぜんぜん違う。しかも、昨年のデトロイトショーに展示された黒のNSX Conceptは東京と同じデザインだった。デザインは進化しているのか。
市販モデルは2015年とアナウンスされている。順当ならばこれまでのNSXコンセプトがデビューしてきた2015年デトロイトショーが有力だが、開発が遅れるようならば4月のニューヨークショーまでは可能性があると思う。秋には燃料電池車FCEVの発表発売が控えているので、パリサロンやLAでの発表は可能性が低いと見ている。