山口県の下関市とJR西日本、ジェイアール西日本不動産開発、中国SCは1月6日、「下関駅にぎわいプロジェクト」として進めてきた同駅とその周辺の開発事業について、駅舎の改良などを3月16日に完成させると発表した。新たに建設された駅ビルも同日オープンする。
下関駅は1901年、山陽鉄道(現在の山陽本線)の駅として開業。当時は馬関駅を名乗り、現在地から東に約1km離れた場所に設けられていた。翌1902年には、市名の改称にあわせて下関駅に改称。同駅と九州の門司、朝鮮半島の釜山を結ぶ連絡船の乗り換え拠点として発展した。戦時中の1942年には、関門鉄道トンネルの建設にあわせて現在地に移転。このときに建設された駅舎は、2006年1月の放火事件で焼失している。
今回の開発事業では、駅のバリアフリー化を図るためエレベーターやエスカレーター、多目的トイレを設置。さらにホームのかさ上げや発車時刻表示器のLED化、上屋の改修なども行った。出改札は中2階に移し、下関市が整備する中2階東西連絡通路(延長122m・幅5m)につなげる。このほか、1階東西連絡通路(延長122m・幅7~8m)なども整備される。
駅ビルは鉄骨造り・地上3階で、ジェイアール西日本不動産開発が整備。敷地面積は約3164平方mで、1・2階には中国SC開発が運営するショッピングセンター「ripie(リピエ)」、3階には4月1日開館予定の下関市の公共施設「ふくふくこども館」が入る。
駅ビルは「『まちの記憶』を受け継ぐ」をコンセプトの一つとしており、ビルの正面には焼失した駅舎のシンボルとなっていた三角屋根のシルエットをデザイン。移転前の旧駅付近にあった、鉄道ホテルの第1号とされる旧山陽ホテル(2011年解体)のレリーフを入口に設置する。