マツダのラインアップのなかで『ベリーサ』『デミオ』に次いで3番目に小さい(OEM除く)のが『アクセラ』だが、その存在感は決して小さいクルマではない。
2013年11月に行われたフルモデルチェンジで3代目となったアクセラは、上級モデルであるアテンザと共通するエモーショナルなスタイリングが与えられ、バツグンの存在感を示してくれている。そして、その乗り味も上級なものであった。
まず最初に試乗したのは1.5リットルエンジンを搭載するモデル。グレードとしては上級のSで、車両本体価格は200万円を切る190万500円(特別色代5万2500円を含む)。
エンジンの出力は111馬力とごく普通のものだが、6速のATとのマッチングがよく、トルク不足は感じない。アクセルを踏めば、スッとクルマが前に出てくれる。エンジンの回転だけが上がるのではなく、しっかりとトルクが付いてくるのが気持ちいい。またAT変速時のレスポンスもいいうえ、ショックも少ない。
JC08モードの燃費は19.4km。燃費を向上にはさまざまなテクノロジーが使われているが、なんと言っても大きく影響しているのがアイドリグストップ。1.5リットルエンジンはこのアイドリングストップの再始動時のショックが小さいのも特徴的。
ハンドリングは素直でスポーティ。さらに乗り心地もいい。2リットルエンジンにも試乗したのだが、ハンドリングや乗り心地は1.5リットルのほうが上。これは1.5リットルが60タイヤを装着しているからにほかならない。
全体としてのまとまり感や200万円を切る価格。そして、その価格以上の品質などを総合すればアクセラにはかなり高い評価を与えられる。
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。