航空祭に行った誰もが「飛んでいる戦闘機をカッコよく撮りたい」と思ったことがあるはずだ。しかし、飛んでいる戦闘機を撮るという行為は非常に難易度が高い。速度も高度も高い機体を追いかけるには腕(技術)が必要だし、機材も揃えなくてはならない。
機動飛行を行う戦闘機の撮影では「300mmレンズを広角」、「500mmレンズを標準」、「800mm以上のレンズを望遠」と称するほど機材的にはシビアだ。もちろんこれら機材を有するだけでなく、速度も高度も高い機体を追いかけられる撮影技術があってこそ…だ。
コンパクトタイプのデジタルカメラや、スマートフォンでの撮影は困難とも言えるが、唯一の例外はブルーインパルス。機体そのものというより、スモークで描く航跡を追っていく構図に仕上げるならば望遠レンズも必要なく、若干のシャッタータイムラグがあるようなカメラでも撮ることができる。
実際にどの程度の写真を撮ることができるのか。岐阜基地航空祭でiPhone5sを使い、演技飛行中のブルーインパルスを撮影してみた。iOS7標準のカメラアプリを使っており、5sの特長となる高速連写機能は多用している。結果はご覧のとおり。
会場内のナレーションでは、ブルーインパルスの編隊がどの方向から進入してくるのかも必ず案内される。すべての演技はショーセンターとなる管制塔付近を中心に組み立てられているので、それを念頭に置くと構図も作りやすい。
一昔前のスマートフォンではピント合わせにもたつきもあったが、iPhone5sになるとそうしたストレスは感じない。一眼レフ並みの使い勝手を求めるのは酷だが、リサイズソフトを使って縮小してしまえば「iPhoneで撮った」と言われなくてはわからないようなレベルの写真が撮れるようになった。