ハイブリッド車の燃費競争まっただ中にいるトヨタ『アクア』がマイナーチェンジされ、JC08モードで37.0km/リットルという数値を実現した。
この燃費の向上について試乗で感じられることは何もなかった。実際にクルマを所有し比べればそれなりに差が出るかも知れない(もちろん出ないかも知れない)が、それら燃費のわずかな差がもたらす、クルマそのものの魅力の違いはほとんどないはずだ。
しかし、燃費向上にともなって行われたさまざまな改良は、アクアというクルマの魅力をいっそう引き上げている。モーターやエンジンといったパワーユニットが洗練され、EV走行からエンジンが始動されたときのスムーズさなどが増している。サスペンションの動きもよくなり、乗り心地が向上した印象だ。
そして遮音材が追加されたということもあり、室内の静粛性が向上していることも特筆すべきポイントだ。パワーユニットの洗練と合わせてアクアの品質をひとつ上のランクとしている要因だろう。
今回のマイナーチェンジでは新色ディープアメジストマイカメタリックを追加し、全11色としている。アクアは国産車にしてはめずらしく、さまざまなボディカラーが受け入れられている。テレビのCMでカラーバリエーションが豊富なことをアピールしていることも影響しているだろうが、街にカラフルなクルマが増えるのは風景が変わるいい出来事だと私は思う。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。