大阪府は11月26日、大阪府都市開発(OTK)の株式売却の優先交渉権者として、ローン・スター・ジャパン・アクイジッションズを選定したと発表した。
OTKは大阪府や関西電力、大阪ガスなどが出資する第三セクター。1965年12月、トラックターミナルの運営会社として設立された。1971年4月からは、南海電気鉄道高野線の中百舌鳥駅から分岐する泉北高速鉄道線の運営も行っている。当初は南海電鉄に運転管理を委託していたが、現在はOTKの直営になっている。
2008年に現在の橋下徹・大阪市長が大阪府知事に就任した際、OTK株を売却する方針を示し、大阪府は今年6月に売却先の公募を実施。ローン・スターや南海電鉄など3社が資格審査を通過して本審査が行われた。このうちローン・スターは提示額が最も大きく、南海電鉄からの乗継運賃を10円値下げするなどの追加提案もあったことから、売却先に選ばれた。売却額は781億400万円で、民間の株式保有分も含めローン・スターに売却される。
ローン・スターは米国のダラスを本拠地とする投資ファンド。日本の鉄道会社の全株式を海外の投資ファンドが保有するのは、これが初めてになると見られる。今後は12月の府議会での審議を経て、2014年1~2月にOTK株を譲渡する予定。