シェフラー 執行役員 CTOであるペーター・グッツマー博士は、東京モーターショー13のプレスブリーフィングで、同社のトランスミッション技術やホンダのフィットに採用されたi-DCDについてのプレゼンテーションを行った。
i-DCDは、ホンダとシェフラーとの共同開発によって実現したハイブリッドカー用のトランスミッションである。特徴はコンパクトカーなのにCVTではなく7速トランスミッションをシェフラーのデュアルクラッチシステムによって効率よく実現している点だ。
グッツマー博士は「グローバルで見た場合、当面の間、内燃機関はパーソナルモビリティの主役であることに変わりないでしょう。しかし、その効率化は重要なトレンドです」と述べ、ハイブリッド化、パワートレーンの電動化、トランスミッションの電動化は今後さらに進むとする。
トランスミッションの効率化、電動化について、シェフラーはデュアルクラッチ等の技術によって「多段化をさらに進め8速、9速、11速と進化させ、ハイブリッドシステムでは減速時の回生システムの効率を上げていく」(グッツマー博士)ことで対応する戦略だ。
そしてハイブリッドシステムについては、グローバルでは、パワーアシストや自動駐車、さらにはシャシー全体のアクティブ制御に活用する「マイルド」な形での展開が主流であるとシェフラーはみている。同社の「マイルドHVソリューション」は、エンジンと一体となった変速機や回生システム、その制御技術によって、PHVやフルHVの製造コストより60%ダウンを実現し、フルHVの50%の効果を得ることができるという。
このとき次のステップで重要となるのは48Vテクノロジーだそうだ。バッテリーを48Vとすることでエネルギー効率を上げ、パワーアシスト、自動駐車、アクティブ制御など電動パワーを全体に広げることが容易になるからだ。