宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、太陽観測衛星「ひので」がオーストラリア皆既日食の際に月に隠されてゆく太陽をX線でとらえたと発表した。
11月14日午前5時25分(日本標準時)ごろに、「ひので」がオーストラリア北部上空を飛行している際、「ひので」に搭載されているX線望遠鏡(XRT)で撮影に成功した。
月が太陽の南から現われ、北西に向けて太陽面を横切って、太陽コロナを背景に黒い月が通過していく様子がとらえられている。
「ひので」から見た日食の最大食分は99.3%で、皆既食帯に入る一歩手前だった。「ひので」の飛行速度は時速約2万7000kmと早いため、部分日食の開始から終了までが、わずか約17分だった。「ひので」は、今回公開した日食以外に、約4時間後に南米上空で再度日食帯に遭遇したが、それも部分日食だった。
今回の皆既日食では、「ひので」に搭載された極端紫外線分光撮像装置が、コロナから発せられる紫外線輝線を観測し、オーストラリアで行われた日食観測を支援した。