【VW ゴルフGTI 試乗】時代にふさわしい良識あるホットハッチ…青山尚暉

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VW ゴルフ GTI
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7代目『ゴルフ』(ゴルフ7)は1.2リットルのベースグレードにでさえ「脱帽」している筆者だが、待望のGTIに試乗してゴルフの今をより深く知ることになった。

2リットルのエンジンは220ps、35.7kg-mものパワーとトルクの持ち主だ。どれほどのホットハッチぶりを披露してくれるのかと構えで乗った筆者が未熟であった。

例によってタータンチェック柄のスポーツシートに腰を落とす。うむ、柄の色が渋く大人っぽくなった。GTIらしさはシートのコンビ部分やレザーステアリング、DSGセレクターブーツに赤いステッチが入る程度。

エンジンを始動させてもどう猛なサウンドなど聞こえてこない。ひたすら静か。走り始めても感動に値するエンジンやDSGのスムーズさと引き締まった極上の乗り心地の良さが際立つだけでごくごく平和である。ほんとうにGTIなのか? 220psなのか? と思わずにいられない。

そう、最新のGTIは素晴らしく大人な、また15.9km/リットルという(JC08モード。先代は10-15モードで13.0km/リットル)素晴らしい燃費性能を持つ時代にふさわしい良識あるホットハッチなのである。

日常域の加速はあくまでも軽やか。GTIらしさを感じにくいのも事実。しかしひとたびアクセルを深々と踏み込み、終始滑らかでトルキーなエンジンを回せばスポーツカーのように恐ろしく速い、というジェントルなマナーが持ち味なのだ。もちろんスタビリティは強力。クルマとの一体感も強い。飛ばしても緊張感は極めて薄く、安楽だ。ゆえに高速道路、山道を含む長時間のドライブでも疲労感は最小限。

もちろん、その気になれば奥行きの深い操縦性、オンザレールなコーナリングを味わうことができる。ドライビングスキルのあり、なしにかかわらずハイスピードランを楽しみ尽くせる、とも言える。

つまり、フツーのゴルフのようにも、GTIのようにもなる変幻自在さが最新のGTIのキャラクターだ。ドライバーとしては燃費計に視線をやりつつ、ノーマルモデルとは別格の速さと、極上のドライブフィール、モード燃費に迫る実燃費とのハイバランスの妙味に満足できるだろう。

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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