【シトロエン DS3 カブリオ 発売】ファーストカーになる、実用性極めたオープンエア

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緑に映えるカラフルなボディカラー
  • 緑に映えるカラフルなボディカラー
  • ルーフを開くと自動的に出てくるデフューザーは、任意に畳むことができる
  • 最初の操作ではリアウィンドウを確保した状態まで開く
  • 二番目の操作でリアウィンドウまでが畳まれる
  • 個性あふれるDSモノグラム
  • 鮮やかなブルー
  • 上品なブラック
  • リアシートは3名分のスペースが確保されている

オープンエアの爽快な気分が味わえると同時に、ルーフに覆われた安心感も同時に体感できるのがシトロエン『DS3カブリオ』の大きな魅力だ。1.6リッターターボの力強い走りと共に初秋の箱根界隈でその威力を堪能してきた。

DS3カブリオの魅力は何と言っても、どんな時でもルーフの開閉ができる使い勝手の良さにある。運転席に座ってルーフを見上げ、そこにあるスイッチ操作でリアウィンドウが見える状態まで一気に開く。そして、さらにスイッチを操作するとリアウィンドウまで畳む状態までフルオープンとなる。この間、16秒足らず。走行中でもストレスなくスムーズに開閉でき、その速度は120km/h程度まで可能だという。これは快適そのものの何ものでもない。

DS3カブリオの場合、オープンカーのように左右までは開かないから、開放感で見劣りするのではないか思われがちだが、実際に開けてみればそんな心配はない。むしろ左右にフレームがあることで高速走行時でもしっかりとした安心感が味わえる。しかも、この状態で5名乗車が可能なのだ。オープンカーであればルーフを収納する関係上、どうしても乗車定員が犠牲になりがち。つまり、DS3カブリオはファーストカーとして使うことができる数少ない“カブリオ”なのだ。

ルーフはキャンバス地を採用するが、素材を二重構造としたことで閉めたときの静粛性も十分。オーディオを鳴らして高速走行も楽しんだが、ボリュームを少し上げる程度で音楽を楽しめた。しかも、ボディカラーに応じてキャンバス地3タイプを用意。この辺りはフランス車らしいお洒落さを感じ取れる。インパネ回りもカーボン調の素材が高品質を感じさせる造り。また、センター吹き出し口の左にはフレグランス用ダイヤルが備わるなどお洒落さは抜群。フランス車に乗っていることを実感できる仕様と言えるだろう。

一方、オプションで組み合わせ可能なカーナビは、基本的にポータブル型のパナソニック製「ゴリラ」。ジャイロ/加速度センサーを備えており、トンネル内でも測位は継続できるタイプだ。画面サイズは7型で、ここには車両情報を割り込んで表示させる機能も備わる。iPodをつないで再生させれば、楽曲情報を表示することも可能で、この辺りは『DS5』にも搭載されるものと基本的に同じ仕様となっている。ただ、VICS情報を表示することができず、この辺りは今どきのカーナビとしては物足りない。

CDを再生できるオーディオの音質は、質的には低域もまずまずで、オープンエアで走行しても負けないぐらいのパワーもある。さすがにこの状態で速度を上げると低域はまったく聞こえなくなってしまうが、完全なオープンエアでない分だけ音楽がきちんと聴き取れるのがいい。惜しいのは音像がややニアサイト気味で再現されてしまうこと。ダッシュボード上にセンタースピーカーがあるようにも見えたが、日本仕様ではフェイクとなっており、ボリュームを上げるとその傾向が顕著になる。オープンエアで楽しむクルマだからこそセンタースピーカーはちゃんと備えて欲しかった。

とはいえ、DS3カブリオは、オープンエアを実用的にしたのが最大の魅力。トランクのゲートも外側に安易に飛び出さないようヒンジに工夫を加えているし、この構造にしては充分な容量も確保できている。また、3D感たっぷりのテールランプは後続車の目を惹き付けること間違いなし。気分爽快なオープンエア感覚と、高い実用性、そしてフランス車らしい洒落た気分で乗れる。シトロエンDS3カブリオは、“カブリオ”として高い完成度を実感させてくれる数少ない一台だと思う。

《会田肇》

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