JR九州「ななつ星」、車体に傷…架線柱に接触

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一般的な鉄道の横断面図。地上施設を設置できない範囲(建築限界)は、列車走行時の揺れを考慮して、車両の走行空間(車両限界)より広くとられている。建築限界の外側に地上施設を設置すれば、車両と地上施設が接触することはない。
  • 一般的な鉄道の横断面図。地上施設を設置できない範囲(建築限界)は、列車走行時の揺れを考慮して、車両の走行空間(車両限界)より広くとられている。建築限界の外側に地上施設を設置すれば、車両と地上施設が接触することはない。
  • 架線柱と車両の位置関係を上から見た図。今回車両に接触した架線柱は、建築限界の線路側に設置されていた。

JR九州はこのほど、試運転中の列車が架線を支持する電柱(架線柱)に接触したと発表した。架線柱が本来の基準位置より線路側に設置されており、車体と線路の間隔が十分に確保されていなかったためとみられる。

架線柱に接触した試運転列車は、10月15日から運転を開始する予定の豪華寝台列車『ななつ星 in 九州』と、普通列車用の車両。同社によると、9月14日から30日にかけて試運転列車の車体に擦り傷が生じたことから調査した結果、電化区間のカーブ2カ所で車体が架線柱に接触していたことが分かった。これを受けて全ての電化区間のカーブを調査したところ、73カ所で架線柱などが同社の基準位置(建築限界)より線路側に設置されていたことが判明した。

車体が接触した2カ所については、10月2日までに建て替えなどを完了した。残る73カ所については接触の恐れがないことが確認されているが、このうち8カ所は列車の通過状況を監視している。また、1カ所は10月6日早朝に建て替えを行った。同社は残る72カ所についても、建築限界を支障しないよう改良するとしている。

《草町義和》

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