三菱自動車工業は24日、『アウトランダーPHEV』の駆動用リチウムイオン電池の不具合に関する原因調査の結果を公表した。原因は、サプライヤーの電池セル製造ラインにおいて、2012年12月から導入した検査行程にあったとの結論。
アウトランダーPHEVに関しては、生産済みの全車両をリコールする方針。現在アウトランダーPHEVの生産は停止しているが生産再開は未定。5月中の再開を目指すとしている。
現在、電池セル製造ラインではスクリーニング検査を廃止した上で、新たに製造ラインに導入する再発防止策についての有効性を検証を行ない、結論がまとまり次第、国土交通省にリコールを届け出る。
今回の不具合の原因は、サプライヤーの電池セル製造ラインに2012年12月から導入されたスクリーニング検査において、作業時に過大な衝撃が加えられたことにより、部品の一部の変形や金属片発生による内部短絡を起こし、不具合が発生したとの結論に至った。
これまで、アウトランダーPHEVに関しては、リチウムエナジー ジャパン製の駆動用電池を搭載、販売会社において登録・納車前の車両1台で、バッテリーパックの溶損が発生。
溶損したバッテリーを確認したところ、搭載されている80セルの電池のうち一つのセルが何らかの原因で過熱し、周辺セルが溶損。溶損の範囲は、バッテリーパックの中では80セルを3ブロックに分け配置しているうちの、1ブロックのみに溶損跡がみられた。
サプライヤーと共同で行なった原因究明の調査では、溶損の原因として電池サプライヤーの電池製造ラインにおける不具合の可能性があり、確認・調査を進めていた。
現在まで、アウトランダーPHEVのユーザーに対して、原因究明が終わるまで外部充電とチャージモードによる利用を控えるようアナウンスし、新たな不具合の発生は報告されていない。
また、同じリチウムエナジー ジャパン製の駆動用電池を使用した軽自動車の『i-MiEV』、『MINICAB-MiEV』に関しても、同社組立工場において、16kWh仕様のバッテリーパック1個が車両搭載前の検査中に発煙・発火した。
不具合発生の恐れがあるのは、特定法人の顧客向け車両69台、補修用部品として出荷した駆動用バッテリーパックを搭載した車両46台、合計115台に特定されていて、こちらもリコールする方針だ。