【VW エコドライブ世界選手権 12】日本代表・澤野さん、ジェッタHV で20km/リットル超えも

エコカー 燃費
「目指すは世界一」日本代表・澤野浩康さん(左)の意気込みは十分。中央は大会最年少ナビゲーターとなる息子の浩輝くん(10歳)
  • 「目指すは世界一」日本代表・澤野浩康さん(左)の意気込みは十分。中央は大会最年少ナビゲーターとなる息子の浩輝くん(10歳)
  • VW 競技車両はジェッタハイブリッドだ
  • 出発前にレギュレーションを確認する澤野浩康さん
  • Think Blue. World Championship 2012
  • 重量を統一するためトランクに搭載されたおもり
  • Think Blue. World Championship 2012
  • Think Blue. World Championship 2012
  • Think Blue. World Championship 2012

11月26日、フォルクスワーゲンが主催するエコドライブ世界選手権「Think Blue. World Championship 2012」が、米国カリフォルニアでスタートした。世界17か国の代表が、2日間で約700kmを走破し燃費を競い合う。「世界一をめざす」と豪語する日本代表、澤野浩康さんの走りを追いかける。

■限られた時間の中で最高効率の走りを

1日目は、サンフランシスコからベルモント、モントレーのチェックポイントを経由し、サンルイスオビスポまでの約380kmを走る。26日早朝、サンフランシスコ特有の濃い霧の中、30台以上のフォルクスワーゲン『ジェッタ ハイブリッド』が一斉に走り出した。

「Think Blue. World Championship 2012」のレギュレーションは至ってシンプル。「交通安全が第一」「交通の流れを乱さない」「指定のコースを走る」「チェックポイントでは所定のタスクを実施する」といった基本的なルールを守り、各々がエコドライブをおこなう。速度は法定速度を遵守し、かつ規定時間内にゴールできるよう極端に遅く走らない。マイナス5〜10マイル/hまでを許容する。限られた時間の中で、いかに効率の良い走りができるかがポイントとなる。

競技車両は、年内に米国で発売予定のフォルクスワーゲン『ジェッタ ハイブリッド』だ。未発売モデルだけに、参加者達が運転するのは初めて。ハイブリッド車の特性に試行錯誤しながら、本戦に挑む。公称燃費は19.1km/リットルだが、これを超えたハイレベルでの戦いになることが予想される。

■霧と渋滞のフリーウェイ

最初のチェックポイント、ベルモントまでの道のりはほぼフリーウェイで占められたハイスピードコース。とはいえ、制限速度が50マイル/h〜60マイル/hと絶えず変化するため、一定速度で走れば良いというわけではない。また、スタートから約2時間ほど、通勤ラッシュの時間に巻き込まれたため、渋滞の中での過酷なエコドライブを余儀なくされた。また、道路の先が読めないほどの濃い霧も、ドライバーたちを悩ませた。

日本代表の澤野浩康さんは、米国在住経験があり、また大のスポーツカー好き。ハイスピードコースへの対応もバッチリだという。慣れないハイブリッド車の制御にとまどいながらも、テスト走行ではコツをつかんだ様子。今回ナビゲーターとして同乗する息子の浩輝くんの前でも「めざすは世界一」と意気揚々だ。

ベルモントのチェックポイントである、フォルクスワーゲングループの先進技術研究所に到着した時の澤野さんの燃費は、42.7mpg(約18.2km/リットル)。公称燃費に迫る勢いだ。澤野さんは、「ペースが早めだった。渋滞も多く“Eモード(EV走行モード)”があまり使えなかった。まだまだ燃費は伸びそう」と、次のステージへの抱負を語った。

またここではフォルクスワーゲンの電気自動車(『ゴルフ ブルーeモーション』)への試乗や先進技術の紹介のほか、クイズや発電体験などイベントを楽しんだ。

■「コースティング」が重要

ベルモントから海岸線を南下し、港町モントレーへ。ここからは渋滞のないフリーウェイだ。いかに一定速度を保ち効率の良い走りができるかが重要となる。

ジェッタハイブリッドの走りの特徴のひとつが「コースティング」。これを活用すことがハイスピードセクションでの燃費をかせぐためには欠かせない。巡航中にアクセルペダルを離すと、ガソリン車であればエンジンブレーキ、ハイブリッド車であれば回生ブレーキがかかり徐々に減速する。ジェッタハイブリッドの場合は、エンジンを停止させかつニュートラルに近い状態になり滑走させることができる。燃料を使わず一定速度を保つ事ができるというわけだ。

大きなカーブもないこのコースは、コースティングを活用する絶好の機会といえた。追い越し車線をぐんぐんと飛ばして行く各国車両を横目に、澤野さんはコースティングを活用し60マイル/hをキープして走行。モントレーまでの燃費は48.2mpg(約20.5km/リットル)と絶好調だ。そして舞台は、約200kmを一気に駆け抜ける、今回のコースで最も過酷なステージへと突入する。

■高速ワインディングを駆け抜ける

モントレーからサンルイスオビスポまでの道のりは、峠道、フリーウェイ、市街地とバラエティ豊か。これまでと最も異なるのがハイスピードのワインディングが続く峠道だ。危険のない範囲で、いかに速度を殺さず駆け抜けるかが重要となる。スポーツ走行経験のある澤野さんは、「景色を楽しみながら走ります」と余裕を見せる。

途中工事渋滞のため、競技車両が数珠つなぎになってしまい、エコドライブには厳しい環境となる場面も多々あったが、夕方18時30分、無事ゴール。納得がいかない部分もあったようだが、この日の最終的な燃費は44.4mpg(約18.9km/リットル)と上々の結果だった。

2日目のスタートは現地時間27日の8時過ぎを予定。いよいよゴールとなるロサンゼルスに向けて出発する。コースの大半はこれまでと同様フリーウェイだが、ゴールに近づくにつれ交通量が多くなる事が予想される。いかに状況を先読みできるかが、より重要となりそうだ。

大会の様子は、フォルクスワーゲングループ・ジャパン公式サイト、または公式フェイスブックで現地から順次情報発信される。

《宮崎壮人》

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