日産自動車は次世代のステアリング技術として、ハンドルの動きを電気信号に置き換えてタイヤを操舵する「バイワイヤ」でのシステムを開発した。1年内にインフィニティのモデルに搭載する計画だ。
システムは3つの制御装置と、タイヤなどを動かすための3つのモーターで構成される。制御装置やモーターに不具合が生じた時のために、機械式の機構も備えている。通常時はクラッチによって機械式の機構は遮断する。日産はこのシステムによって、タイヤの角度とステアリングの操舵を独立に制御できる技術を世界で初めて実用化するという。
また、車載カメラによって車線の方向を認識し、進行方向のズレを低減するようハンドル角などを制御する「直進安定性向上機能」も組み合わせている。「機械式よりもドライバーの意図を素早く車輪に伝える一方、荒れた道路などハンドル操作を乱すような道路からの不要な情報は、ドライバーには伝えない制御ができる」(Infiniti製品開発本部の佐藤正晴主管)という。
こうした制御によって「意のまま」にかつ「安心感のある」走りの実現を目指す。試作車では通常モードのほか、ドライバーの意思に、より迅速に反応するスポーツモードも選択できるようにしている。