フォルクスワーゲン グループ ジャパン(VGJ)は18日、新型スモールカー『up!』の発表会を都内で開催した。その席で正本嘉宏マーケティング本部長は同車について「今までのスモールカーとは全く違う車である」と強調した。
その最大の理由は高い安全性だ。このクラスでは初めて衝突回避などを行う安全装置「シティエマージェンシーブレーキ」を標準装備。時速30キロまでフロントウインドー上部に設置されたレーザーセンサーで10メートル前方までの車両などの障害物を認識し、運転手がブレーキをかけなければ、自動で止まるようになっている。
また、価格についても「国産コンパクトカーに真っ向から勝負できるようにした。戦略的に150万円を切る価格で、今まで輸入車に興味がなかった人に積極的に働きかけていきたい」と正本本部長。
ターゲットユーザーは30~40代のDINKSで、「新しいものを受け入れるのに比較的抵抗がなく、しっかりとしたライフスタイルを持ちながら、さまざまな分野でアクティブに活動している人」(正本本部長)とのことだ。特に、この世代はSNSなどで積極的に情報発信している人が多いので、他の世代への波及効果も狙えるというわけだ。
「この日本市場において、up!は環境性能、使いやすいサイズ、高い機能性など従来のスモールカーに求められるものをすべて備えたうえで、従来の概念を覆す大きな特徴を持った車です」と正本本部長は力説。文字通り、売れ筋の国産車にとって、強力なライバルが出現したといえそうだ。