デンソーは「国際物流総合展2012」(9月11日~14日)に衝突防止補助システム『モービルアイC2-270』を出品し、今後カー用品店などで販売する。しかし、この製品は自社製ではなく、イスラエルのモービルアイ社が開発したもの。
もちろん、デンソーも似たような商品をつくっている。そのため、この製品を扱うに当たって、開発陣から「なんで他社製品を売る必要があるのか」といった声が上がった。しかし、デンソー製のものよりも優れているため、「お客様のことを考えたら、いいものを出すべきだということで販売することになった」(同社関係者)という。
この製品の優れているところは画像解析能力。なにしろ、モービルアイ社はその分野では世界一の企業なのだ。フロントガラスに取り付けた1台のカメラが前方車両、歩行者、オートバイのすべてを検知。そこまでの距離と相対速度に基づき、衝突するまでの時間を計測し、衝突の危険が迫ると、未然にアイコン表示とブザー音による警報を出す。
実はデンソーがこの商品の販売に踏み切ったのにはもう一つの理由があった。それは開発陣への刺激。優れた他社製品を販売すれば、開発陣がより奮起してもっといい製品を開発するのではないかという期待だ。事実、開発陣はより性能が良く、より小型なものをつくるために、開発のスピードを上げているそうだ。