車載用ミリ波レーダーの低価格化に効果…東芝が周波数シンセサイザを開発

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東芝は、CMOSを使った車載用ミリ波レーダー向けにデジタル・アナログ混載位相同期回路を用いたFMCW方式に対応した周波数シンセサイザを開発した。

高周波基準信号源等を使用することなく、線形性が高いFMCW信号の生成が可能で、車載用ミリ波レーダーの小型化、低価格化が図れる。

前方を走行する車両との衝突緩和などを目的に77GHz帯ミリ波車載レーダーが実用化されているが、高周波特性に優れた化合物半導体やCMOSを用いた信号処理回路などの複数の部品を組み合わせているため、レーダー装置の小型化、低価格化が難しかった。

同社は今回、CMOSの利点を活かし、デジタル回路とアナログ回路を組み合わせた位相同期回路を用いてFMCW信号を出力する周波数シンセサイザを開発した。高い精度が必要となる周波数変調はデジタル信号処理を使用し、高い線形性が必要となるスムージング部はアナログ回路を用いることで線形性を改善した。

このシンセサイザを用いた試作チップでは、高価なDDFSなどを用いた場合と同等の最大1.5GHzの変調帯域、1msから10msの変調周期のFMCW信号の出力、0.04%以下の線形性誤差を、安価な26MHzの基準信号源を用いて実現できることを確認したとしている。

同社では開発したシンセサイザを用いることで、車載用ミリ波レーダーに用いるFMCWシンセサイザ部にかかるコストを、従来のDDFSなどの外部回路を用いたシンセサイザと比較して4分の1に抑えられ、車載用ミリ波レーダーの低価格化や小型化に貢献するとしている。

《レスポンス編集部》

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