ホンダは、連結子会社のホンダトレーディングが不適切な取引を繰り返していた問題で、調査委員会から調査結果内容の報告を受けるとともに、再発防止策をまとめた。

調査報告による不適切な取引を行っていた担当者は他社で水産関係の業務を経て2000年7月にホンダトレーディングに入社した。2001年ころから、担当者は経営陣を含む上司の了解の下、複数の水産物業者との間で、水産物を水産物業者が仕入れた水産物を買い取り、一定期間経過後に売り戻す取引である「預かり在庫取引」を行うようになった。

2004年1月に担当者は、預かり在庫取引の主要な取引先の1社から、預かり在庫の不良化による損失分10億円を上乗せした仕入値で追加の在庫を預かってほしいと依頼され、依頼を受けなければ取引先が破綻し、ホンダトレーディングの水産事業が打撃を受けると考え、上司に無断で市場価格に比べて水増しされた仕入れ代金で預かり在庫を受け入れ、以後も同様の取引を継続した。

さらに、2004年秋から2005年にかけ、取引先の経営破綻や注文キャンセルで販売できなくなった在庫を預かり在庫の取引先に引き取ってもらい、その見返りとして、これらの水産物業者との間でも同様に市場価格から水増しされた代金での預かり在庫の仕入れを行うようになった。

水増し価格で預けた在庫の買い戻し資金に窮した水産物業者が、一度買い戻した預かり在庫を再度ホンダトレーディングに預け入れるといった預かり在庫の循環も行われるようになった。

その後、預かり在庫の削減が指示された後も、この担当者は預かり資産総額を隠ぺいする工作を繰り返したとしており、経営陣などの組織的な関与は確認できなかったとしている。担当者は、高い売上げ目標に対するプレッシャーから不正にはしり、取引先からキックバックを受けるなど、個人的な利益を得る事実も無かったとしている。

ホンダでは、一連の事件を受けて再発防止策として内部統制システムの強化や内部監査体制の強化、コンプライアンス意識の再徹底、コンプライアンスオフィサーの機能強化リスク管理・監督の強化、人事制度の見直しなどを推進する。

事件を受けてホンダトレーディングの須藤宗英社長をはじめ、取締役と監査役5人が辞任し、役員が役員報酬の一部返上などの処分を実施する。担当者は懲戒解雇となった。

また、ホンダトレーディング担当のホンダの北條陽一取締役も役員報酬の一部を返上する。
《編集部》