気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2010年11月16日付
●海上保安官逮捕せず、尖閣映像流出書類送検へ、「秘密性」低く(読売・1面)
●シビック40年の歴史に幕、国内向け生産年内にも終了(読売・8面)
●内閣支持急落27% 本社世論調査(朝日・1面)
●日産、九州シフト、主力ミニバン生産移す(朝日・10面)
●補正きょう衆院通過、官房長官ら不信任案否決(毎日・1 面)
●日航、整理解雇250人、来月にも(毎日・1面)
●トヨタ逆転で栄冠、社会人野球日本選手権(毎日・22面)
●エコカー・エコポイント、需要先食い反動警戒、先行き不透明円高も影、GDP年3.9%成長(東京・9面)
●一目均衡:GM上場とアメリカ(日経・13面)
ひとくちコメント
ホンダが乗用車の『シビック』の国内向け生産を年内にも打ち切るという。在庫がなくなりしだい国内販売も終え、1972年の発売以来、40年近い歴史の幕を閉じる。きょうの読売など各紙が経済面で取り上げている。
シビックは70年代、世界で最も厳しい米国の排ガス規制「マスキー法」を初めて克服した低公害エンジンを搭載し、「技術のホンダ」を世界にアピールする代表的な車種だった。しかし、最近は小型車『フィット』などに人気が集中し、09年のシビックの国内販売は約9000台に落ち込んでいた。
ホンダでは急激な円高に対応するため、国内の自動車生産拠点のスリム化とともに、販売車種の削減にも積極的に取り組んでいるが、セダンタイプが中心のシビックも“事業仕分け”の対象車種として浮上。すでに4ドアセダンのスポーツ車「シビック・タイプR」(2.0リットル)の生産は8月末で終了している。
ただ、シビックは今後も輸出用の国内生産と、北米など海外での販売は継続するという。今年7月の社長会見では、看板車種の『レジェンド』などの生産打ち切り報道に対し、伊東孝紳社長がきっぱりと否定。シビックについても完全に「廃止」と判定できないところに、ホンダ躍進の“立役者”としての歴史の重さを感じる。