都心部30か所に貸出返却ステーションを置き、月額1000円の会費で自由に乗れるという日本で最大規模の自転車共有実験「名チャリ」が、10月1日から名古屋市で始まった。
この実験、昨年はリサイクル放置自転車で人海戦術によって行われたが、今年は新車200台とリサイクル車100台が用意され、名チャリカードの他、おサイフケータイやFelica内蔵ICカードで利用を管理するシステムへと進化した。
会員は駐輪ラックへカードをかざすだけで借りることができ、返却後はメールで利用明細が届く仕組みだ。また携帯電話などで「ステーション状況」を確認できる。利用料金は30分までは無料で以後は30分200円がかかる。30分無料という料金体系はフランス・パリで実施されている自転車シェアリング「Velib(ヴェリブ)」とほぼ同様のシステムだ。
昨年は無料だったため約3万人がのべ10万回ほど利用したが、今年は有料のため、利用者5000人以上を目標としており、スタート時の登録者は400人超となっている。
運営の主体は名古屋市と名古屋大学大学院環境学研究科、名古屋都市センター、NPO市民・自転車フォーラムで、運営には創建、蔦井、日本コンピュータ・ダイナミクス、JTB首都圏が携わっている。2日にはオープニングセレモニーが開かれ、河村名古屋市長やおもてなし武将隊の豊臣秀吉や前田利家らがテレビ塔下の会場でPRを行った。
また名古屋市でカリテコというカーシェアリングを手掛ける名鉄協商もこれに加わり、名チャリカードとカリテコカードの共有を可能にしている。自転車と自動車をシームレスにシェアリングできる仕組みが出来上がったわけだ。名古屋市では今回の実験を元に事業化を模索するという。実験期間は11月30日までの2か月間。