【プジョー 3008 試乗】カテゴリーの壁を超えた個性…千葉匠

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3008
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メーカー/インポーターは「クロスオーバー」と言うけれど、これ、「○○とSUVを融合したクルマ」とは思えない。ボディ前後の裾にスキッドプレート風のシルバー加飾を備えるのが、SUV的な逞しさの唯一の演出だ。

フォルム全体を見れば、むしろ「2列シートのミニバン」と呼ぶほうが素直かも。それでいて1.8mを超える余裕の全幅を活かして前後のフェンダーをグッと張り出し、アクティブな走りも予感させてくれる。

あまり予備知識なしに運転席に乗り込んで、まず驚いたのがヘッドアップディスプレーだ。車名からすれば『308』の派生車。車格に対してずいぶん贅沢な装備を奢ったものだが、試乗するうちにだんだん納得した。背が高いのにロールは小さく、しかも乗り心地がいい。狭いワインディングではキビキビと走ってワイドな全幅も忘れさせてくれるし、ゆったりと流せばとても落ち着いたマナーを披露する。

室内広さから装備、走り味まで、3008はベースとなった308よりひとつ格上。伝統的なハッチバックの308では何か物足りない、+αが欲しい、だけどそれとのトレードオフでデメリットがあるのも嫌。そんな、まさに贅沢な望みに応えてくれるのが3008だ。4桁車名のプジョーをただのクロスオーバーやミニバンだと思っていたら大間違い。カテゴリー不詳のスタイリングは、カテゴリーの壁を超えたこのクルマの個性を映し出している。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

千葉匠│デザインジャーナリスト
1954年東京生まれ。千葉大学で工業デザインを専攻。商用車メーカーのデザイナー、カーデザイン専門誌の編集部を経て88年からフリーランスのデザイン ジャーナリスト。COTY選考委員、Auto Color Award 審査委員長、東海大学非常勤講師、AJAJ理事。

《千葉匠》

千葉匠

千葉匠|デザインジャーナリスト デザインの視点でクルマを斬るジャーナリスト。1954年生まれ。千葉大学工業意匠学科卒業。商用車のデザイナー、カーデザイン専門誌の編集次長を経て88年末よりフリー。「千葉匠」はペンネームで、本名は有元正存(ありもと・まさつぐ)。日本自動車ジャーナリスト協会=AJAJ会員。日本ファッション協会主催のオートカラーアウォードでは11年前から審査委員長を務めている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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